蘭華

蘭華からすべての人々へ……心揺さぶる“愛の三部作”が誕生

「愛を耕す人」 医師・中村 哲氏との出会い

 

――両A面シングルのもう一曲「愛を耕す人」について聞かせてください。こちらはどのようにして生まれた作品ですか。

蘭華 じつは去年、楽曲提供のメロディーはいくらでも出るのに、自分への曲がまったく書けなくて……。モチベーションもですが、音楽活動への自信を失っていたんです。ところが、昨年の12月4日に、アフガニスタンで活動されていた中村哲先生の訃報をニュースで偶然目にして、中村先生の存在もその時存じ上げたんですね。アフガニスタンで多くの人たちの命と未来を救い、平和と発展のために種を撒き続け、自分の命を捧げたのが中村先生でした。知れば知るほど素晴らしい活動をされている、なんて尊い方なんだろうと思ったのと、これからまだ頑張ろうとしていた矢先に亡くなられた。こんなつらいことはない、と思いました。

 

――医師でもある中村氏はNGO法人「ペシャワール会」の現地代表として、凶弾に倒れるまで灌がい事業などアフガニスタンで復興・人道支援に取り組まれていました。

蘭華 はい。ニュースを観た数日後に私はクリスマスライブを企画していて、曲目も決まっていたんですが、私のように中村先生のことを知らなかった人たちも来るかもしれない。ひとりでも多くの人に、こんな素晴らしい活動をされていた先生のことを知ってほしいという衝動で、それまで1曲も書けなかったのに、わずか1日で「愛を耕す人」が書けたんですね。

 

――まさに、感情に突き動かされる感じですね。

蘭華 今回は衝動に駆られてこの曲が舞い降りてきて、メロディーも詞も、本当に1日でできました。

 

――タイトルの「愛を耕す人」という言葉もとても素晴らしいです。

蘭華 歌詞の中に「愛を耕して」というフレーズがあるんです。最終的にこの曲を表すにはどうしようと思った時に、一番光って見えたのがこのフレーズでした。私がひと言で中村先生のことを表すならば、“荒れ果てた砂漠に緑のオアシスを作った人”。緑を作るのは簡単ではなくて、種を播いて、水をやって、肥料を与えて耕して、本当に並々ならぬ時間と思いをかけて……。それは本当に愛がないとできないでしょう。中村先生は無償の愛の人。そこから「愛を耕す人」という言葉が出てきました。

 

――そんな慈愛の人、中村先生の活動されているところのお写真がジャケットやMV(ミュージックビデオ)でたくさん使われていますね。

蘭華 この曲は今年5月に配信シングルとしてリリースしたのですが、その時に中村先生のお写真をジャケットで使わせていただけることになりました。MVにもぜひ、とお願いしたところ、生前の貴重なお写真を20数点もお借りすることができて。とても素敵なお写真をたくさん使わせていただけたので、ぜひ多くの皆さんに観ていただきたいです。

 

――蘭華さんの思いが、先生の遺志を継がれている皆さんに届いたんですね。

蘭華 6月に、一度福岡にある「ペシャワール会」へご挨拶にうかがいました。そこで、「この状況(コロナ禍)になって、この歌を生で歌える場所がないんです。より多くの人に届けたいけれどそれが叶わなくて。いつかCDが出せるようになったら頑張って届けていきます」とお話ししたら、スタッフの方が「じゃあ、ここで歌って」っておっしゃられて。中村先生や一緒に亡くなられた運転手さんたちの遺影が飾られている「ペシャワール会」の事務所で、「愛を耕す人」をアカペラで歌わせていただきました。

 

――すごい奇跡のような……。

蘭華 まさに奇跡でした。CDを出す前に、中村先生の前で歌うことができて良かったなと、天国の先生に届いているといいなと思います。とてもいい思い出です。

 

――最後に、オトカゼ読者にメッセージをお願いできますか。

蘭華 オトカゼをご覧の皆さん、今回初めて取材をしていただいて私のことを初めて知ってくださった方がたくさんいると思います。私にとって、2年ぶりとなるCDがリリースになりました。「恩師への愛」「無償の愛」「永遠の愛」蘭華が贈る愛の三部作、たくさんの愛が込められた曲たちになっています。ぜひ、初めて知ってくださった方も、蘭華の音楽を聴いていただけたらうれしいです。そしていつの日か、生の歌声を皆さんに届けられる日が来ることを願って、頑張っていきますので応援よろしくお願いいたします。

 


2020年10月7日発売
心に響く愛の物語
蘭華「ねがいうた/愛を耕す人」

「ねがいうた」   
作詞・作曲/蘭華 編曲/綾部健三郎    
「愛を耕す人」    
作詞・作曲/蘭華 編曲/綾部健三郎    
「あなたに愛されて」   
作詞・作曲/蘭華 編曲/綾部健三郎    
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91307 ¥1,227+税

“恩師への愛”を綴った「ねがいうた」、”無償の愛”の「愛を耕す人」。そして、”永遠の愛”を歌った「あなたに愛されて」は、昨年スランプに陥っていた蘭華の創作意欲を甦らせた「愛を耕す人」が完成した後、故郷の大分に帰省せず創作活動に力を注いでいた今年の元旦に、作曲をするためにスタジオへ向かう渋谷駅のホームで降りてきたメロディーに詞を乗せた一曲。「今年の春から数カ月にわたり、最愛の祖母や姉のように慕っていた友人など大切な人たちを立て続けに亡くしたんです。少し体調を崩したり落ち込んだのですが、どんなに悲しい時でも心の中に会いたいと思える大切な存在がいるだけで頑張れるんですよね。今もコロナが収束しない状況ですが、非常事態宣言の期間中、私たちがステイホームを続けられていたのは、医療従事者の皆さんやスーパーで働く方々など、危険を顧みずに治療にあたったりライフラインを守ってくれた方々がいらっしゃったから。一生懸命に毎日を送るすべての人たちへの感謝を込めた応援歌です」(蘭華)

 


Profile
蘭華(らんか)
大分県生まれ。美しい「蘭華」という名前は本名。カラオケ好きな家族の中で育ち、歌謡曲やフォークなどジャンルを問わず音楽に触れて育つ。歌手を目指して上京し、長い修業期間を経験。2015年、よしもとばなな原作の映画『海のふた』主題歌の「はじまり色」と恩師への感謝を綴った「ねがいうた」の両A面シングルでメジャーデビューを果たす。2016年、ファーストアルバム「東京恋文」が『第58回 輝く!日本レコード大賞』で企画賞を受賞。2020年、徳間ジャパンコミュニケーションズに移籍し、両A面シングル「ねがいうた/愛を耕す人」を発売。これまでに「朝だ!生です 旅サラダ」など数々の番組テーマソングを担当。J-POP、アニソンなどさまざまなジャンルの楽曲提供も行い作家としても活躍中。

 


INFORMATION

蘭華オフィシャルサイト
蘭華オフィシャルブログ「夢の途中」
蘭華公式Twitter
蘭華Instagram

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