
秋岡秀治が歌う”演歌ラブソング”で心温もる
デビュー以来、凛とした着流し姿で男の世界観を歌い続けてきた秋岡秀治。12月2日にリリースする新曲「命 道づれ」は、秋岡独特の巻き舌とだみ声で男のたくましさややさしさを表現しており、カラオケファンにとっても挑戦しがいのある一曲に仕上がった。
私にしかできない歌い方を探り続けてきた
――新曲「命 道づれ」は、男性のカラオケファンからのリクエストが殺到しそうな、秋岡さんらしい凛とした男の姿を感じる力強い作品ですね。
秋岡 昨年の12月にリリースした「男の名刺」に続く新曲です。おかげさまで、2000年にデビュー10周年の記念曲としてリリースした「黒あげは」という楽曲が好評をいただいて、2018年にも「夢落葉」のカップリング曲として再収録したほどなんですが、もう一度その路線でとのリクエストの声に応えて、男らしさと温もりを感じさせる”演歌ラブソング”が誕生しました。何気なく過ごしていた生活の中で、一番近くにいた女性がじつは一番大切な人だったと気づいた男心を歌っています。
――コロナ禍で不安を感じる人も多い昨今の状況で、歌詞に共感する方も多いでしょうね。
秋岡 ずっと恋人同士で過ごしてきたカップルが、コロナ禍をきっかけにご結婚されるという現象も多々あったと聞いたことがあります。この作品を聴いてそんなふうに幸せな方々が増えてくれたりしたらうれしいですね。
――秋岡さん特有の巻き舌とだみ声が、作曲した岡 千秋氏によく似ていらっしゃいます。デビュー曲「男の酒」も岡氏の作品ですね。なにか意識されていらっしゃいますか?
秋岡 僕の名前「秋岡秀治」の「岡」という字は、岡先生からいただきました。師匠でもある岡先生にはデビューの時からお世話になっていて、その頃岡先生に「自分の歌い方を盗め」と言われていました。
――師匠の岡先生の歌い方を盗めと言われるなんて、とても光栄なお言葉ですよね。そんな思い出深いデビューから30年目を迎えられますね。
秋岡 その頃はその言葉に反発していました。まだまだ若かったんでしょうね……。何でわざわざだみ声にならないといけないのかと思っていました(笑)。それが、10年ほど前に「男の旅路」を書いていただいた時からその意味がわかるようになって、だみ声なのではなくて”味のある声”なんだとやっと気がつきました。
――この新曲もそうした特徴が十分に活かされていますよね。だみ声でうなるような部分で盛り上がったかと思うと、その次はスッと抜いたように歌う部分がとても自然で、他に誰もまねのできない歌い方だと思いました。
秋岡 江戸っ子の歯切れがいいべらんめえ調とはまた違って少しもたっとしていますが、そこが岡先生のメロディーに自分の声がハマるところでしょうね。よく「歌わないで語れ」と言われます。自分にしかできない歌い方を探り続けてきて、ようやく見えはじめてきました。これからもこの方向をさらに極めていきたいと思いますし、これまでの曲と同じように大切に歌っていきたいと思います。
(文=高橋真里)
2020年12月2日発売
秋岡秀治「命 道づれ」

「命 道づれ」
作詞/麻こよみ 作曲/岡 千秋 編曲/南郷達也
「雪寺」
作詞/原 文彦 作曲/岡 千秋 編曲/南郷達也
日本クラウン CRCN-8368 ¥1,227+税
カラオケファンに根強い人気を誇るデビュー10周年の記念曲としてリリースした名曲「黒あげは」の流れを汲む男唄。秋岡秀治が贈る、愛する女性を温かく見つめる男のやさしさと力強さを歌った”演歌ラブソング”。カップリング曲「雪寺」は、日本の美しい情景が浮かぶような詞が光る楽曲。ぬぐいきれない後悔の念に苦しむ女の心情を、秋岡が情感豊かに歌う。