H A N Z Oが今、伝えたいこと

まだ、歌が勉強できると思った

 

――いつもHANZOさんが新曲を制作される時は、一曲入魂という感じなんですか?

HANZO 僕が新曲を作る際は4~5曲作りますね。その中から自分で選別してディレクターに聴いてもらうんだけど、却下されることもあります。ちなみに、この曲は自分で作っておきながら、デモテープの段階であまり好きじゃなかったんですよ。

――そうなんですか!?   他の曲が新曲になる可能性もあったんですね。

HANZO それで違うのができたから聴いてもらおうと思ってディレクターに持っていったら、「もうだめ」だって(笑)。頭の中でイメージができちゃったからって。「どんなんなってるんだろう」って思っていたんですが、初めてアレンジを聴いた時は感激しちゃいましたね。

――その時の思いはどんな感じだったんですか?

HANZO 僕には全然想像つかない仕上がりになっていて、ここに歌を乗せたらどんなふうになるんだろう、ってワクワクしました。まだ歌が勉強できるな、とかね。ディレクターにはいつもさすがだなと思わされることばかりです。じつは、ピアノもディレクターが弾いてるんですよ。アレンジの打ち合わせでこんな感じでやりたいという彼の演奏を聴いて、こんなピアノ弾ける人いるんだ!と思った。天才的です。

――本番でもディレクターさんがピアノを弾かれたんですか?

HANZO そうなんですよ。この曲は5分を超えている長さで転調もあって難しいんですが、ピアノの入り方とか間の取り方がなんとも言えないすばらしさでした。僕には弾けませんね。

――レコーディング自体は順調に行われたんですか?

HANZO 6月に緊急事態宣言が明けて、すぐにレコーディングに取りかかりました。今回は歌に関してはディレクターからだいぶダメ出しされましたよ(笑)。

――ダメ出しですか!?

HANZO 「最初からメッセージを伝えようと思わないで、素の状態で、近くの世界で歌ってあげてほしい。徐々にサビに近づいてきたら遠い世界に向かって歌ってくれ」と。発声法ですよね。息で置いてくるように耳元で歌っていくのと、遠くで歌っていくのと。ここまで距離感を追及して歌ったのは初めてかな。あとは、詞は自分で書いておきながら、「この詞はこういう意味だ!」なんて言われてね(笑)。

――解釈が違う時もありますよね。

HANZO 彼は、この曲をたくさんの人に聴いてもらうためにどうやって売ろうか、一番いい温度で届けたいと考えてくれている。僕とディレクターではいわゆる“役割”が全然違うんですよね。

――でも、曲に込める思いは同じ……。

HANZO この曲はね、キーも高いし転調もするし、たしかにこれまでの曲にくらべてうまく歌うのは大変な曲なんですが、こないだ「これって誰が歌うの? こんな難しい歌、誰が歌うの?」って彼が言ったんですよね。でも、その時の顔が満足げなんですよ(笑)。他の人が歌えなくてもいいんだ、HANZOが歌うんだと。この曲を聴いてくれる人たちに、HANZOはこういう歌を歌わせたら一番だって思わせたい、“人生=HANZO”だって思ってもらえるようにという思いは一緒なんだって思いました。

――8月には半年ぶりに六本木でライブをされたそうですが、いかがでしたか?

HANZO お客様がいるのといないのとでこうも違うのかと思いました。映像でも撮っていたんですけど、僕自身がとても生き生きとしてましたね。のびのびと歌っている姿を見て、これ本当に俺なのか?と思いました(笑)。

――冗談も反応が目の前でありますしね(笑)。

HANZO ライブって、何かが絶対生まれるんですよね。とくに弾き語りだと、お客様との心のやりとりをしながら進めていくので、「ここは声のトーンをこう持っていこう」とか「ゆったり感をキープしよう」とかもできる。ライブだからこそ響き合っている感じがして楽しいです。

――ライブは本当に生ものですよね。一回一回、全部違ってその瞬間にしか味わえない。

HANZO 本当にそう。自粛前はいつもどこかで歌っていたので、正直若干疲れていたんですよね。明日もまた歌うの? みたいな(笑)。それが半年できなかったというのは、逆にそのエネルギーがすごかったですね。

――大人になると、「宝物」ってキラキラしてよく見えなくなってくる。言葉自体も照れくさくて使わなくなるというか、簡単に言えなくなりますよね(笑)。今回、「宝物」という言葉に込めたHANZOさんの思いを、最後に聞かせてください。

HANZO 普通と思っている毎日が本当は普通ではないんだとみんなが受け止められると、もっと一日一日を大事に大切にできるはずなんですよね。とにかく、世界のこの困難をどうやって乗り越えようかという思いが僕の中に常にある。「Treasure of life〜人生の宝物〜」という名のこの曲が、ただ単に悲しい曲というだけではなく、皆さんが一歩踏み出そうと新しいことに挑戦していく前向きな気持ちのエネルギーになれたらいいなと思っています。短いですよ、案外人生って。1日の三分の一は眠ってるんですもん。昨日自分がやったことが、輝く「宝物」、今日やったことも、輝く「宝物」。そうなるように、何気ない日々を大事にしていきましょう。

 


2020年9月16日発売
HANZOが今、伝えたいメッセージ
「Treasure of life〜人生の宝物〜」

「Treasure of life~人生の宝物~」 
作詞・作曲/HANZO 編曲/金沢重徳  
c/w「HEY! HONEY」 
作詞・作曲/HANZO 編曲/金沢重徳  
テイチクエンタテインメント TECA-20052 ¥1,227+税

カラオケファンの絶大な人気を誇るHANZOの代表曲「人生なんて…ね」(2013年「くちびるの花」c/w)、「人生の晩歌」(2018年)に続く“人生三部作”の完結編となる作品。「歌い方のアドバイスとしては、とりあえず楽譜の中で休符があるんですけどね、それが間なんです。間の取り方は楽譜で見て、16分音符の場所はとくにがんばって表現して欲しいと思います。この曲はいろんなところに間が入っているんですが、ブレイクしているところがひとつだけあるんですよ。転調してからの段落の最後『ふたりの日々は』のところが、いったんブレイクするんです。ここが聴きどころですね」(HANZO)。

INFOMATION

「Treasure of life~人生の宝物~」発売記念 ネットサイン会開催!!

テイチクオンラインショップにて「Treasure of life~人生の宝物~」ネットサイン会対象商品(TECA-20052:特典付き)を予約すると、シングルのジャケットにサインと希望の宛名を入れてプレゼント! さらに、テイチクの公式YouTubeチャンネルで、HANZOさんがあなたのお名前を読み上げながらサインを書いている模様を生配信。リアルタイムでご覧いただけます。(アーカイブも1週間残りますので、その時間に観られない方もあとからゆっくりご覧いただけます)
イベント会場になかなかお越しになれない方もサイン会に参加できるチャンス。この機会に是非ご参加ください。注意事項をご確認の上、たくさんのご参加をお待ちしております。
※ネットサイン会対象商品は先着となっており、予定数に達しますと販売終了となります。予めご了承ください。

日時:2020年9月16日(水)19:00~(終了時間はサイン終了まで)
視聴方法:当日は下記YouTubeチャンネルにて生配信いたします。アーカイブは1週間残ります。どなたでもご視聴いただけます。
↓TEICHIKU RECORDSチャンネル
https://www.youtube.com/user/TeichikuEnkaKayo


HANZOProfile
HANZO(はんぞう)
12月13日、島根県生まれ。2001年から歌手活動を開始し、2004年に「心花」でCDデビュー。2010年「てっぺん」でメジャーデビューを果たし、癒しのバラードを中心に、ギターやピアノ弾き語り、ダンス、トークなど多彩な能力を発揮して、幅広いファンから熱い支持を受けている。2018年にテイチクエンタテインメントに移籍、新たな歌手活動をスタートさせた。楽曲制作や楽曲提供でも名高く、「人のために作る歌はその依頼主がステージに立った時に、どんな立ち方や表情で歌ってるかなって想像して作ります。自分のために作る歌は、まず自分が『歌いたい』と思ったものしか世の中には出しません。楽しくなかったらいやだなとか。バラード系は詞ですかね。心にグサッと突き刺さる。グサッと来なかったら絶対歌いません」(HANZO)。