真田ナオキが新曲「渋谷で・・・どう?」で最良の日を!~決意、熱く、熱く~
決意のもとにつくり上げた、唯一無二のハスキーボイス。真田ナオキの歌声は、聴く者を男気あふれる独自の世界に引き込んでくれる。そんな真田の「恵比寿」「本気(マジ)で惚れた」に続く新曲が「渋谷で・・・どう?」だ。タイトルはなかなかに刺激的だが、コロナ禍にあって、気軽に人を誘えなくなった今だからこそ聴いて、歌って、笑いたい作品となっている。
“吉ワールド”全開の「渋谷で・・・どう?」
友人知人と意気投合、かつてのように街でとことん酒を飲み、時に度を越し酩酊できる日があっていい。真田ナオキの新曲「渋谷で・・・どう?」には、そんな思いが込められ、これまで同様、師匠である吉幾三が作詞・作曲を手がけている。
とはいえ、真田自身は、酒は飲めないクチという。唯一自ら口にするのが、11月11日と決められている師匠の誕生日と忘年会を兼ねた会合のときだ。2022年、この一日を最良の日とするために、勝負曲「渋谷で・・・どう?」に懸ける思いは熱い。もちろん、すべての人に最良の日を!
「どう?」「どう?」「どう?」・・・・・・
師匠がコロナ禍のこの2年を振り返りながらつくってくださった曲です。当初はもっとコロナを意識させるような歌詞が並んでいましたが、それを少し中和させ、純粋に「会おうよ、飲みに行こうよ、と言える日が早く来ますように」という願いを込めた、ノリのいい作品になりました。
タイトルには、初め「渋谷」という地名が入っていなかったんです。ズバリ、「どう?」。いかにも師匠らしいシンプルなタイトルなので僕自身は気に入っていましたが、スタッフで意見を交わしたうえで、物語の舞台となる「渋谷」を入れ、よりイメージを膨らませやすくしました。
そして、「渋谷で」のあとに「・・・」と入っていますが、この使い方こそ師匠らしいなと思っています。「・・・」が入ることによって聴く人がイメージを自由に思い描け、想像を掻き立てるような言葉の使い方をしています。
また、歌詞の中にはタイトルにある「どう?」という言葉がたくさん(22回!!)出てきますが、「どう?」をたくさん入れたかったんだ、とも師匠は言っていました。ただ歌い手としては、同じ言葉がたくさん入っているほど緊張します。どれも同じように歌ってしまうと退屈に感じてしまうので、それぞれをいかに違えて歌っていくか。軽い声掛けもあれば、お願いだよと誘うような言い方など、いろいろあります。そこには自分なりにこだわって歌ったので、込めた思いを感じ取ってほしいですね。
「ヘロヘロで歌ってもらえたら最高(笑)」
歌全体を通して結末を語らず、この先どうなるんだろうと余韻を残す。タイトルの「・・・」同様、それも師匠ならではの詞の作り方です。師匠の名曲「雪国」も「追いかけて 追いかけて 追いかけて 雪国」で終わっていますが、あえて雪国にたどり着いたあとの様子は描いていません。これぞ“吉ワールド”。どう取るかは聴く人に委ねています。
僕の前作「本気(マジ)で惚れた」も、惚れてそのあと彼女とはどうなっただろうとワクワクさせるエンディング。そして今回の「渋谷で・・・どう?」でも、やはり続きが気になる詞の流れになっています。なかなか会えなかったけど、会えたかな、どっちだろう。ぜひそのあたりを自由に想像しながら聴いてください。
舞台は若者の街・渋谷で始まり、2番で隠れ家的な店の多い三宿、さらに3番でレトロな店も並ぶ三軒茶屋と移っていきます。歌詞はそれぞれ異なる日の出来事になっていますが、例えばそれを一日の流れとして歌ってもおもしろいかなと。一次会、二次会、三次会で泥酔! こんなふうに、コンサートごとにニュアンスを変えて歌うのもありかと思っています。
僕はもともとレコーディングのときと同じように歌うよりは、表現者としてその時々で違った歌い方をしたいタイプです。自分の中に歌がしっかり染みつくのは少し先。1年後、2年後に、また違う味が出せると思うので、それも楽しみにしていてください。
また、「渋谷で・・・どう?」は、年齢を問わず歌える曲です。曲中、「酔っぱらって ケンカして 仲直り」というフレーズでは、盛り上がって、むしろ大酔っ払いで歌ってほしいですね。ろれつが回らないくらいヘロヘロで歌ってもらえたら最高(笑)。歌詞に出てくる地名や店の名前なども、好きに変えたらまた楽しいのではないでしょうか。
この曲はいわゆるコミックソング。師匠のような歌い方ができたらコテコテのコミックソングになったのかもしれないけど、そこは三十代の僕が歌います。都会的で、若さと勢いを感じてもらいながら、皆さんにクスッと笑ってもらえたらとてもうれしいです。
「真田ナオキの世界」を堪能できるカップリング
真田ナオキのテイチク移籍第3弾「渋谷で・・・どう?」はジェケット写真とカップリング曲などが異なる3タイプが準備された。【渋谷盤】のカップリングには「仔犬」。【三宿盤】には「友達(ダチ)の彼女が」が収録される。前者は大人のバラード曲。後者はいつもの真田らしい楽曲で、ジャズやブルーズを連想させるイントロがバキバキにカッコイイ。【DVD付】は「渋谷で・・・どう?」のミュージックビデオが収録される。
大人のバラード「仔犬」。名前は「心来(みらい)」
師匠はいつも、つくった曲の内容を改めて僕に話すことはしません。でも、このところはずっと僕がイメージしたものとほぼ合致していた作品をいただいていたので、曲の解釈ではそれほど苦労しませんでした。でも、カップリングの「仔犬」は初めて難しさを感じました。
この曲の主人公は、まだ荒くれ者の感が残る大人の男性が仔犬を拾う。でも、その男性は過去の苦労から内に秘めた優しさを持っていて、「家族になるか」と仔犬を家に連れていきます。僕は当初、荒くれ者を卒業して落ち着いた男性像を抱いたので、歌い出しを穏やかな優しいトーンで歌ったんです。でも、師匠はそうではないと。「まだ不良が抜け切れない男性像だから、しゃがれ声でどんどん行ってほしい」と言われました。
歌い方によって、本当に曲のイメージが変わりますね。バラード調ですが、節回しも細かい節がとても多く、いろいろ勉強になった曲です。
最終的にこの仔犬は、傷ついた女性と重なります。そして、名前は「心来(みらい)」。お前との未来を見てもいいよなという意味合いで、2人でこの先の人生を歩いていこうとしています。男性像は今の僕より10歳以上年上でしょうか。少し背伸びをするところもありますが、渡哲也さんのような寡黙で大人のイメージを描きながら歌っています。
「友達(ダチ)の彼女が」がヤバいっす
僕の親友に“スナダナオキ”という、一文字違いのダチがいまして(笑)。彼がまさにこの詞の主人公のようなキャラクター。歌としては、主人公はいったい誰なのかと思うようなおもしろいつくりになっていますが、思いがけず近くにぴったりの友人がいたので歌いやすかったです。
この主人公、すごくいいヤツ! いいヤツ過ぎて、損してるなと思ったりします。ストーリーとしては親しい女性が彼氏のことで悩んでいて、彼女の泣いている姿を見て優しく励ます・・・というもの。
詞を書いた師匠がおっしゃったんです。「この主人公は、本当は彼女のことがきっと好きなんだよなぁ」と。しみじみおっしゃった師匠のセリフを聞きながら、師匠の作品の中には他人が生きているんだと思いました。自分が書いた詞なのに、です。小説家みたいだと、改めて感動してしまいました。
それに、まだ若いこの年代に感心がないと書けない詞です。師匠は常に若い人の言葉に感心があって、少し前は「ヤバい」にハマってましたね。「俺、ヤバいだろ」「ヤベっしょ」って言うから、その顔があまりにかわいくて「ヤバいっす」と僕も笑って答えていました。
「友達(ダチ)の彼女が」は、イントロの入り方にも注目していただきたいです。ベースの音にまず引き込まれ、サックスが入ってきて、ジャズやブルースのような流れ。ブラックミュージックみたいでカッコイイ曲だなと思っています。僕のしゃがれ声も出しやすく、主人公の年齢も近いこともあって自分らしい曲になっています。
そして、この曲でもぜひ「その後」を連想してほしいですね。彼女の彼氏は主人公の親友です。主人公はこの親友を、彼女以上に大切に思っている。彼女のことは好きだけど、だからこそ・・・。どうなったのかなと、想像しながら聴いてください。
(文=藤井利香)
from 真田ナオキ
“隣のお兄ちゃん”として、人のために歌い続けたいコロナ禍で予定していたファーストコンサートが中止になるなど、思うような活動のできなかったここ2年間は、精神的にはかなりきつかったですね。それを支えてくれたのがファンの方々。事務所にOKをもらって「お返しします、ファンレター」という企画を始めたところ、たくさんの方がメッセージを届けてくれました。一人ずつ返事を書かせていただきましたが、これがなかったら苦しい時期を乗り切れなかったと思うくらいです。
いつも厳しい言葉で僕を叱咤激励してくれるファンの方が、このときばかりはものすごく温かい言葉をかけてくれたりして、その「本気」がとてもうれしかった。今思い出してもウルッとしてしまいます。
僕の理想は、すぐ身近にいる“隣のお兄ちゃん”のような存在になること。ステージを降りたら着飾ったものをすべて脱いで、気取らず、ありのまま。そんな、話しやすくて聞き上手な人間になりたいと思っています。そういう人間の歌のほうが人の心に届きやすいのではないかという勝手な思い込みをしていますが、これからもその気持ちで好きな歌を歌っていきたいと思っています。
昨年末にはバースデーコンサートとして、初めてホールでのソロコンサートを開催することができました。自分が売れるとか、有名になるとかいう以前に、人のために歌を歌い続けていきたい。その歌で人を励ますことができたり、エールを送ることができたりしたら幸せです。
まだまだ始まったばかりです。師匠同様、熱く、熱く、歌っていきます💪💪💪
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2022年3月9日発売
真田ナオキ「渋谷で・・・どう?」
渋谷盤
三宿盤
DVD付
Profile
真田ナオキ(さなだ・なおき)
1989年12月22日、埼玉県生まれ。2016年「れい子」でデビュー。2019年6月、テイチクレコードへ移籍し、移籍後初となるシングル「恵比寿」を2020年1月に発売。3月にはミュージックビデオが付く「恵比寿(DVD付)」をリリース。10月には殿(しんがり)盤「恵比寿」を発売した。また同年12月には「第62回 輝く! 日本レコード大賞」最優秀新人賞に輝く。2021年は「本気(マジ)で惚れた」(2月に3タイプ、10月に殿(しんがり)盤を追加発売)をリリースし、8月にはオリジナルアルバム『真田ナオキの世界』を発表した。また同年12月には初の単独ソロコンサートを開催。昼夜2公演を行い、歌手・真田ナオキの世界を届けた。飾らないキャラクターと甘いマスク、”恋する確率100%、ノックアウトボイス!”で、演歌・歌謡曲界を背負って立つ逸材のひとり。
真田ナオキオフィシャルサイト
真田ナオキオフィシャルブログ
真田ナオキ公式Twitter
真田ナオキInstagram
インタビュー当日はバレンタインデーでした。そこで真田さんにバレンタインデーの思い出を聞くと、「学生の頃は、この日が1年で一番そわそわする日でしたね」とのことでした。
「中学校ではチョコレートを結構もらいました。でも、ホワイトデーは恥ずかしくて返したことがないんです。母親がちゃんと返しなさいよと用意してくれたのに、持っていくのに何だかテレがあって。そうしたら、仲のいい女友だちから『まだ返してもらてない!』と3年間言われ続けました(笑)。
好きだなと思う子に限って義理チョコだったこともあって、ちょっとがっかり。中には手作りのホールケーキをくれた子もいましたね。みんなで食べていいか本人に聞いたうえで、朝礼台で仲間数人と食べた記憶があります。懐かしい~」