走裕介が恋模様で新たな横顔を~「恋懺悔」で男女の“罪”をストレートに表現~
最近は甘い焼菓子にはまっているという走裕介が、17枚目のシングルではスイートな甘さとは裏腹の気迫のこもった情愛を艶っぽく描く「恋懺悔(ざんげ)」をリリースした。いけない恋と知りながらも惹かれてゆく男と女の恋模様をノリのいいロックテイストな曲調で歌い上げ、また一つ新たな横顔を見せる。
“罪”を叫ぶ! 罪つくりな艶歌
――「一期一会」「昭和縄のれん」など正統派な人生歌を歌う走さんのイメージからまた違った雰囲気の新曲が出来上がりました。
走裕介 人生を歌った前作の「一期一会」とは正反対の男を歌いますからね。亡き父のことを思う「昭和縄のれん」にしても、ファンの方から「父親との確執がありながらも最後の最後にはお互い分かり合えて、この曲のCDを仏前に供えた」というお話をうかがったことがあります。そういうイメージからすると、男女の恋模様を歌った「恋懺悔」はまったく違いますね。
――幸斉たけし先生によるロックテイストで艶やかなメロディーですね。これまでの走さんとのギャップが感じられるのは興味深いですね。
走裕介 詩も曲も、今回初めてお世話になる先生の作品です。今までにないメロディーラインやアレンジなので、最初に歌った時は新境地にたどり着いたような気持ちでした。新しい走裕介を聴いていただけると思います。
――“罪、罪、罪の 罪つくし”など、冬弓ちひろ先生による歌詞もフレーズが印象的です。
走裕介 これまでの作品は4行詩が多くて、すべてを言わなくても作品の世界を感じていただけました。まるでオブラートに包んだように。でも、新曲「恋懺悔」では、これまでのオリジナル曲では出合って来なかった言葉がたくさん登場します。しかも直球。「罪」という言葉も2コーラス半の作品の中に21回も出てくるんですが、聴いてくださる方が、どう反応してくださるのか楽しみです。ちなみに“懺悔”の字も読むことはできても、はじめは書けませんでした(笑)。
走裕介の論理思考~作品へ向かう姿勢
――カラオケで歌う時のポイントはありますか?
走裕介 激しく歌うといいと思います。とくにベースはチョッパー奏法という弾き方の強い音の出る部分が効果的に入っていて、それを聴きながら歌うとより世界感が表現できると思います。まあ、ベースは一例で、それぞれの楽器の音を分解できるようになると楽しいと思います。意識して全部バラして聴けるようになると最高ですよね。ベースだけ聴く、ドラムだけ聴くといった具合にアレンジを聴きながらそれに合わせて歌うと楽しさも倍増するのでおすすめです。
――走さんは、曲をいただくと楽譜作成ソフトに落とし込んで作品と向き合っていますよね。
走裕介 曲はたいてい4分半の物語で、山があって谷があります。編曲もすごいなあと感じます。例えば、レコーディングの時に、「そこは伸ばして歌わないほうがいい」とアドバイスされた時に、ギターやベース、ドラム、ピアノなどそれぞれの楽器が奏でる音を聴いていると、アドバイスされた意図や意味が理解できるようになります。いただいた曲をそれぞれの楽器ごとに譜面に落として確かめながら1小節ずつ、自分なりに理解していくのも楽しみです。
――細かい作業ですが、とてもプロフェッショナルで論理的ですね。
走裕介 懲り症なんでしょうね。凝り始めると時間が足りなくて仕方がないです。コロナ禍になってからはSNSにも力を入れていて、動画も自分で撮影しています。チャーシューをつくって食べるまでの動画(走裕介 公式YouTube おうちで走くん特別編~「チャーシュー大作戦」)を撮った時なんか、自分でセッティングするところからはじまって編集していると楽しくて、あっという間に何時間も経っていましたね(笑)。
――そこまで真摯に作品に取り組んでいる走さんですが、「恋懺悔」を通して、今年はどんな一年になりそうですか?
走裕介 コロナ禍の状況がこの先、どうなるかなかなか予想できませんが、コロナ以前の活動がこの2年近くできていません。とにかく元の日常に戻ってほしいというのが願いです。以前と同じようになるのは難しくても、皆さんの前で歌わせていただく機会をもっともっと増やしていきたいと思います。
2022年1月26日発売
罪つくりな艶歌
走裕介「恋懺悔」
デビュー14周年目、17作目にして初めてタッグを組んだ作家陣と新たな一面を見せる「恋懺悔」。恋に落ちた男の抑えきれない情熱を重量感のあるサウンドとともに歌い上げる。一方カップリング曲の「騎士(ナイト)」では、清く正しい理想の男性像をムーディーな歌謡曲で披露する。「こちらはファンタジーな作品です。最初に作品をいただいた時は、僕が騎士(ナイト)? 照れくさいなって(笑)。でも、一度歌えば大丈夫でした。抵抗もなくなりましたし、逆に聴いてくださる皆さんの反応が楽しみになりましたね」(走)。
2021年11月17日発売
『走裕介全曲集 一期一会』
収録曲
1.一期一会
2.恋路の果て
3.昭和縄のれん
4.故郷恋々(ふるさとれんれん)~アコースティックヴァージョン~
5.宗谷岬
6.兄弟船
7.母のいない故郷(ふるさと)
8.北のひとり星
9.唇は赤き砂漠
10.星屑の恋
11.網走港三番地
12.流氷列車
13.赤いレンガの港町
14.女満別(めまんべつ)から
15.北の傷歌(しょうか)
16.時代おくれ※
※河島英五「時代おくれ」のカバー(新録音)を収録。
デジタル配信
profile
走裕介(はしり・ゆうすけ)
1973年12月7日、北海道生まれ。網走で農家を営む家庭の長男として生まれ、オホーツク海と知床の連山を一望できる環境で育つ。中学時代からバンド活動(この時はドラムを担当)を行い、地元を中心に活動。高校卒業後、実家の農業や漁師などに従事。1997年NHK BS2『日本縦断カラオケ道場』で優勝し、これがきっかけになり、歌を録音したテープを作曲家・船村徹氏に送付。この時はJ-POP作品を歌ったが、船村氏の助言により演歌の「望郷じょんから」(細川たかし)と「心凍らせて」(高山厳)を収録して再送する。1999年7月より船村氏の仕事場「楽想館(らくそうかん)」にて内弟子生活を始める。2009年4月、生まれ故郷の網走を舞台にした「流氷の駅」でデビュー。2010年10月、東京での初のフルコンサートを練馬文化センターで開催。2012年12月、「第54回日本レコード大賞」で、日本作曲家協会奨励賞を受賞。2016年、「走裕介 新ファンクラブ『DERESUKE倶楽部』」発足。2018年、デビュー10周年記念ツアーを実施。同年11月にはデビュー10周年記念曲第2弾「春待ち草」がオリコンの週間・演歌歌謡曲ランキングで初登場1位を獲得。船村徹氏が2017年に逝去したあとは、「内弟子五人の会」として兄弟子の鳥羽一郎、静太郎、天草二郎、弟弟子の村木弾とともに、船村作品を歌い継ぐ。特技は料理とギター。10年間の内弟子生活に身につけた料理の腕前はプロ級。
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