金田たつえ

昭和の香りが懐かしい。金田たつえの「おけさ情話」は歌っても楽しい!

いつまでも心に残る演歌を

座右の銘は「いつまでも心に残る演歌(うた)を」。金田たつえの通算113枚目のシングルは佐渡が舞台の悲恋を描いた「おけさ情話」。日本海に位置する島の厳しさ、切なさ、もの悲しさを民謡の名手でもある金田が歌い上げる。歌っても楽しい「おけさ情話」の魅力を聞いた。

Q 新曲「おけさ情話」は「お光のように 漕いで行きたい たらい舟」という歌詞にあるように、民話「佐渡情話」をモチーフにした悲恋の歌ですね。また民謡の節も入っています。

金田 ええ、民謡の「佐渡おけさ」の一節がおり込まれた一曲です。「あんこ」といって、流行歌の歌詞の中に民謡などの一節が入った構成になっています。このスタイルの歌が減った時期もありました。歌っても楽しめる曲です。

Q 今年4月に発売された「おんなの三叉路」に続き、「おけさ情話」は2021年の2作品目となりますが、金田さんが「おけさ情話」を歌うようになった経緯や、第一印象について教えてください。

金田 年2枚、CDを発売するローテーションでやってきています。懐かしい感じのするこの曲が目に止まりました。斬新ではありませんが、昭和の香りがする曲だと思っています。

Q 新曲が届いたあと、レコーディングまでのルーティーンはありますか?

金田 与えられた時間の中でなるべく多い回数を歌ってみるようにして、レコーディングに臨みますが、当日までに納得のいく練習量にはなかなかいたりませんね。それでもいろいろと工夫をしながらスタジオに入ります。

Q レコーディングはいかがでしたか?

金田 コロナ禍での対策はしっかりとしているスタジオでしたが、いざ、入室して密閉感の強さを感じると不安な気持ちになりましたね。でもヘッドホンから伴奏側が流れると、そんな思いはすぐに忘れて、歌に集中できました。

Q ジャケット写真で着用されている着物はどのように決めたのですか?

金田 秋の発売なので、秋らしい柄の着物にしています。

Q オトカゼ読者にカラオケで歌う際のアドバイスをいただけますか?

金田 歌の中の主人公になりきることが大切です。ご自分の年齢や、いろいろなこと、この際忘れてください。恋する若い女性の気持ちになって歌い出してくださいね。また、「おけさ情話」のCDには、カラオケも半音下げたトラックや2コーラスのタイプも入っています。毎回ご好評をいただいております「ワンポイントレッスン」で練習なさって、ぜひともレパートリーに加えていただければうれしく思います。

Q 「おけさ情話」のカップリング曲は、新潟民謡の「佐渡おけさ」が収録されています。金田さんにとって、民謡はどのような魅力のある音楽でしょうか?

金田 ふるさとの土や樹々、汐の香りのする民謡は、母の腕の中に抱かれる子どものように素直な頃に戻ることのできる癒しの音楽です。

Q 民謡歌手として50年以上、演歌歌手としても48年。プロとして半世紀歌って来られた金田さんですが、歌手としての今後の目標、夢、決意などがあれば教えてください。

金田 この2年間は我慢の日々でした。平時のように皆様とのふれあいを大切に、歌を楽しめることを待ち望んでいます。今の皆様の気持ちに寄り添える一曲をお届けすることができているか、ふとした時に口ずさんでいただける一曲があるか、いつもこのことを心がけて歌ってきて、気がつけば長い年月が経っていました。「いつまでも心に残る演歌(うた)を」を座右の銘として歌ってまいります。

Q 最後にファンの方へのメッセージをお願いします。

金田 歌は元気の源です。コロナ禍でも多くの人々が歌を支えや癒しにされていたということは、歌を仕事にしてきた私にとって大変な慰めとなりました。皆様もお体を大切に、またはお会いできるのを楽しみにしております!

 

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2021年10月20日発売
金田たつえ「おけさ情話」
金田たつえ

「おけさ情話」
作詞/多野亮 作曲/花笠薫 編曲/前田俊明
c/w「佐渡おけさ」
新潟県民謡 編曲/甲斐靖文
日本コロムビア COCA-17925 ¥1,350(税込)

表題曲「おけさ情話」は、金田たつえが得意とする人情もの演歌。佐渡が舞台となっており、民話「佐渡情話」の悲恋がモチーフになっている。また歌の途中には「佐渡おけさ」の一節が入る仕掛けが哀愁を掻き立てる。カップリング曲には、民謡歌手としてキャリアをスタートした金田つえの命歌唱が光る、代表的な新潟民謡「佐渡おけさ」が収録されている。

▼「おけさ情話」の視聴はこちら
日本コロムビア 金田たつえページ


金田たつえ

Profile
金田たつえ(かねだ・たつえ)
4月12日、北海道生まれ。1961年、日本民謡協会全国大会で「江差追分」を歌い優勝。1969年に「江州音頭」「河内音頭」を発売し、民謡歌手としてデビュー。1973年に演歌歌手として「花街(はなまち)の母」をリリース。発売当初は大阪地区限定の自主発売だったが、歌詞が自身の人生と重なることから「この曲は必ず世に出したい」と地道に歌い続ける。その努力が実り、1978年には200万枚を超す大ヒットへ。1979年には「第30回NHK紅白歌合戦」に初出場。多くの賞を受賞し、テレビドラマ化、映画化もされた。2013年には歌手生活45周年を記念したCD8枚組・全133曲が収録された『プレミアムBOX』を発売。民謡、演歌、音頭、浪曲と、すべてをこなす実力派。

金田たつえ 公式HP
日本コロムビア 金田たつえページ

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