杜 このみ、郷愁を心で歌い上げる

笑顔が素敵な美少女だった歌姫は、いつの間にか大人の女性へと成長した。そして、永遠の伴侶に出会い、偕老同穴を契った。師匠・細川たかしとの二人三脚で大忙しだった日々を糧に、これからは人生のパートナーの助けを得て、本格演歌歌手の道を駆け上がっていく。6月17日にニューシングル「郷愁おけさ」を発表した杜 このみの演歌道第二幕が、今開く――。

Special Interview
杜 このみ

――まず、昨年リリースされた「王手!」は、貴重なご縁で出合ったという故・市川昭介氏の遺作。すばらしい言葉が散りばめられた素敵な作品でした。

 初めて聴いた時から「歌いたい!」と強く思った作品でした。将棋好きな方からもたくさん応援していただき、うれしかったですね。礼節を重んじながらも勝負に挑む将棋の世界の歌ですが、どんな人生にも通じる歌詞に私自身も大きな力をもらいました。

――また、昨年は髙安関とのご婚約を発表され、まさに仕事もプライベートも「王手!」でしたね。本当におめでとうございます!

 ありがとうございます!これまで以上にいろいろな方に応援していただいた一年でした。高安関は誰に対しても思いやりがあり、本当にやさしい方なので、私自身もそういう人間になりたい!と思っています。

――今年の勝負作、新曲「郷愁おけさ」はどんな曲ですか?

 私にとっては久しぶりの本格王道演歌で、故郷を思う主人公の気持ちが切々と伝わる作品です。今回は、民謡で培った私の歌声を生かそうと事務所の社長やレコード会社のスタッフの方々が、民謡調の曲にして「杜このみらしさ」を全面的に打ち出していこうと提案してくださいました。うれしいことですね。

――新潟県・佐渡島を舞台に、故郷への思いと女性の悲恋を描いています。

 久仁京介先生の歌詞は、女性らしい切なさや大切な故郷への思いなどがとてもやさしく丁寧に描かれていて共感する部分が多いです。そして、この主人公の切ない心情は、四方章人先生のメロディーからも伝わってきます。力強いメロディーのなかにも哀愁を感じました。

――ちなみに、佐渡島にいかれたご経験はありますか?

杜 新潟へはお仕事で何度か行ったことがあります。米処ということもあり、ご飯がとてもおいしかったです! 佐渡へは残念ながらまだ訪れたことがないので、今後この歌を歌いにぜひ行ってみたいと思います。

――杜さん自身が、この歌詞の世界でとくにひかれたところはありましたか?

 「こころ靡(なび)けど近くて遠い」という部分は、北海道の両親を思う自分と重なりますね。また、「来いと云(ゆ)うたとて 行かりょか佐渡へ」という歌詞のフレーズは、とても表現が難しいですが、心に残るなぁと思って気に入っています。

――スタッフ一丸となった「杜このみらしさ」は、存分に出しきれましたか?

 はい! 強弱をはっきりと、あえて民謡で鍛えた“コブシ”を抑えずに思いきり歌いました。四方先生からは、「“この人だからこそ歌える”という作品と巡り合うことは少ないから、大切に歌っていってね」と言っていただき、背筋が伸びる思いでした。

――今はイベントやコンサートの自粛、外出自粛などこれまでにない状況が続いています。

 「郷愁おけさ」は故郷への思いを歌った作品です。今は大変な時期ですが、皆さんそれぞれの故郷へ早く笑顔で帰れるようになったらいいな、という願いも込めて大切に歌わせていただきます。そして、1日も早く皆様と笑顔でお会いできる日を楽しみにしています!

(文=小西康隆)


2020年6月17日発売
杜このみ「郷愁おけさ」

C/W「云わぬが花よ」 テイチクエンタテインメント TECA-20029 ¥1,227+税

「郷愁おけさ」(DVD付)

c/w「云わぬが花よ」 テイチクエンタテインメント TECA-20030 ¥1,409+税

今回のCDジャケット写真は、今まで見せたことのないような儚げでアンニュイな杜の表情が印象的。「ジャケットのイメージを考えている時から、今回は少し大人な女性を表現したいと思っていました。衣装も普段あまり着ることのない黒の着物で、撮影方法も今までとは少し違う感じだったのですごく新鮮でした」(杜)


Profile
杜 このみ(もり・このみ)
1989年7月2日、北海道生まれ。幼少期から民謡を学び、小学6年生で「江差追分全国大会少年の部」優勝。当時の最年少優勝だった。歌手・細川たかしに見い出され師事し、2013年「三味線わたり鳥」でデビュー。昨年は「花は苦労の風に咲く」と「王手!」の2曲のシングルをリリースし、プライベートでは大相撲の髙安関と婚約を発表。新型コロナウイルス感染拡大で活動ができない状況が続いているが、今までなかなかできなかったというお菓子作りや料理に勤しみ「おうち時間」を楽しんでいたという。また、インスタライブを行うなどファンとの交流も活発に行っている。