
“歌う看護師”入山アキ子が新曲発表会。表現者として新たな覚醒。魂の情念曲「江差恋女」の大航海が始まった!
入山アキ子が7月26日、東京・港区のJ-SQUARE SHINAGAWAにて、新曲「江差恋女」発売を記念したお披露目ショーを開催した。
元・防衛省技官という経歴を持ち、「歌も看護も心から」をモットーに活動する入山のステージは、本格的な歌謡ショーに加え、自ら考案した「健幸(健康)体操」のレクチャーやカラオケ審査会などが組み合わされ、さながら“入山フェス”と呼べるような、彼女の多面的な魅力が詰まった構成だ。
そんな中で新曲を披露した入山は、「私の歌い方が大きく変わる一曲となりました」と覚醒を宣言、大ヒットを誓った。

「行かせたくない、死なせたくない」――雪に託した切実な女心
今作「江差恋女」の作詞は久仁京介氏が手がけ、大ヒットを記録した「津軽恋女」(新沼謙治)に続く「恋女」シリーズの系譜を継ぐ意欲作だ。厳しい冬の北海道・江差を舞台に、愛する人への断ち切れぬ想いを叫ぶ女性の姿が描かれている。
作曲は山田ゆうすけ氏。サビの「雪よ降れ降れ 雪よ降れ」ではロックのリズムが取り入れられ、重厚なストリングスに三味線の音色が激しく交錯するドラマティックな佐藤和豊氏のアレンジは、聴き手の鼓動を速めるような力強さに満ちている。これまでの入山の持ち味であった慈愛に加え、表現者としての新たな覚醒を感じさせる一曲に仕上がっている。

左から久仁京介氏、入山アキ子、山田ゆうすけ氏
お披露目ショーには作家陣も来場。楽曲の背景にある切実なドラマを、久仁氏は「私の場合、制作秘話はね、いつもエッチなんですよ(笑)」と笑顔を見せながら解説した。
「江差というところは、江戸時代から380年も続いてきたニシンの漁場です。ニシンが獲れていた頃、江差の町はすごく栄えていました。料理屋さんも遊ぶところもたくさんある中で、一人の女性が漁師さんに惚れた。『行くな』と。漁師は命を懸けて海へ行くわけですから、女は『行かせたくない、行かないで』と願う。そんな切実な女心があるんです。この歌で『雪よ降れ降れ』と連呼しておりますけれども、なぜ雪が降ってほしいのか。雪が降れば船は出られない。行かせたくない、死なせたくない。そんな思いから発せられる入山さんの声なんです。そういう思いで『雪よ降れ降れ』を聴いていただけたら、とてもいいかなと思います」

迷い抜いた末に辿り着いた、真っ直ぐな声
一方、作曲の山田氏は、音楽的なアプローチについて明かした。
「入山さんは何でも歌いこなされる方なので、単に演歌を歌うというよりは、ポップスと演歌が融合したような曲にしたいなと考えました。5月の半ばくらいに、関口台のスタジオですばらしいオーケストラを録音しましたが、仮歌録りの際にご本人が、どういうテイストで打ち出せばいいのか少し悩まれている様子でした」
その言葉に入山も「ずっと迷い続けておりました」とうなづくと、山田氏はこう続けた。
「そこから1週間ほど置いて本番のレコーディングを迎えると見違えるようでした。最初は少し演歌のテイストで可愛らしく入り、そこからだんだん盛り上げて、サビのところで思いっきりガーンと声を当ててこられたんです。『おお、こう来たか!』と。久仁先生と顔を見合わせたんですよ。実はあの『雪よ降れ』というフレーズの部分は、リズムがロックなんです。見事なアンサンブルとなり、本当にすばらしいレコーディングになりました。これはきっと大ヒットすると信じております」



この日、入山はオープニングと、メインプログラムとなった「入山アキ子昭和歌謡ショー」の中で、2度、「江差恋女」を披露した。レコーディング以外では初めて入山の生歌を聞いたという久仁氏は、「歌声が真っ直ぐ出て、ストンと歌にぶつかっているから、聴く人の胸にドンと来る。この歌で彼女は変化しました。これから勢いがついてきますよ。節回しも上手くなっています」と、その成長に太鼓判を押した。
入山自身、この楽曲の解釈について「誰もが止めても、止められても行くぞ、という強い気持ち。あらゆる足枷を振りほどいてでも前に進もうという決意をこの曲に懸けています」と語り、自らの歌手人生を切り拓く覚悟を歌声に込めていた。


カップリング「華の心意気」に込めた郷土愛
新曲「江差恋女」のカップリングには共に入山が作詞を手掛けた「華の心意気(いき)」と「シアワセをありがとう」の2曲が収録されている。
山口県美祢市出身で同市のふるさと交流大使も務める彼女が、地元・山口県出身の幕末の志士、高杉晋作の生涯をテーマに、激動の時代を駆け抜けた男の生き様と、それを支えた情愛を凛とした歌声で表現している。
「三千世界の鴉を殺し 主と朝寝がしてみたい」「おもしろき こともなき世を おもしろく……」という、高杉が残したとされる都々逸や、辞世の句が台詞として入っており、入山の郷土愛と表現者としての深まりを感じさせる意欲作だ。

昭和歌謡ショーでは、恩師・鈴木淳氏が作曲した不動の人気曲「ザンザ岬ニューバージョン」や、代表曲「紀淡海峡」などを披露し、懐かしい男性歌手の名曲に入山が新たな命を吹き込んだアルバム『昭和歌謡オトコウタ』から「釜山港へ帰れ」「旅の宿」をカバーした。


さらに、彼女がコツコツと積み上げてきた“看護も歌も心から”という姿勢が、遠く離れた故郷の人々を動かし、山口県からもファンが駆けつけるなか、美祢市観光協会の推薦曲となった「華の心意気」を歌唱し、「大河ドラマを意識して詩を書きました。いつか高杉晋作さんが主役の大河ドラマが制作されることを願っています」と熱い想いを語った。
そして、アンコールは「シアワセをありがとう」。楽曲に乗せて、ゴムを使った“健幸体操”をファンと共に実践すると、歌う看護師として「“けんこう”の“こう”は幸せという字。“健幸”を、歌を通じて広めていきたい」と訴えた。
〇
作家陣が絶賛する真っ直ぐな歌声を武器に、新曲「江差恋女」で新たな海へと船出した入山アキ子。
「この曲は、情感や情念の世界を表現する艶のある演歌です。石川さゆりさんが『天城越え』で表現力をがらりと変えられたようですが、私の歌い方も大きく変わる一曲となりました」
新曲が描くのは、荒れ狂う冬の海と、それに負けぬほど激しく燃える女の情念。この日、ステージで見せた入山の歌唱は、悲恋の物語を超え、自らの足枷を振りほどいて未来へ進もうとする、一人の歌手としての力強い宣言のように響いた。
久仁京介氏が綴った深く鋭い「詩」の世界を、全身全霊で、そして「真っ直ぐ」に歌い抜く――その覚悟こそが、歌手・入山アキ子の新たな武器となるだろう。

なお、新曲「江差恋女」の発売を記念したカラオケ大会の開催も決まっている。応募は8月末まで(詳細はCDに封入される応募要項を参照)。入山は「皆さん自身のドラマティックな情念の世界で、この曲を盛り上げてほしい」と呼びかけていた。
2026年7月15日発売
入山アキ子「江差恋女」

「江差恋女」
作詞/久仁京介 作曲/山田ゆうすけ 編曲/佐藤和豊
c/w「華の心意気(いき)」
作詞/入山アキ子 作曲/山田ゆうすけ 編曲/矢田部正
c/w「シアワセをありがとう」
作詞/入山アキ子 作曲/悠生ありさ 編曲/矢田部正
テイチクエンタテインメント TECA-26037 ¥1,700(税抜)











