
【新曲レビュー】袴姿で魅せる本気の“殺陣”! 津吹みゆ、新曲『あふれる涙が伝うとき』で切り拓く次世代演歌の表現と、優しく響くミックスボイス
デビュー12年目の津吹みゆが7月15日、、さらなる新境地を切り拓く待望の新曲『あふれる涙が伝うとき』をリリースした。近年は大人の恋愛をテーマにした作品などで着実に表現の幅を広げてきた彼女だが、今作はこれまでの枠を軽やかに飛び越える、彼女のキャリアにおいて非常に重要な意味を持つ意欲作となっている。

『あふれる涙が伝うとき』の制作過程において、津吹は作詩の北爪葵氏から「命と向き合った時に人が涙を流すのは、その心の中に愛が溢れているからだ」という言葉をもらったという。今作はその言葉を真っ直ぐに体現するような、「命と愛」を壮大なスケールで描いた、今を生きるすべての人へ向けた深いメッセージソングとなっている。
楽曲のテイストも、これまでの王道演歌路線からは一線を画している。津吹自身が「時代劇やサスペンスドラマの劇伴のような、すごくドラマティックな作品」と評するように、まるで一本の映画を見ているかのような重厚なアレンジが耳を引く。
制作にあたり、ディレクターからは名作ドラマ『鬼平犯科帳』のエンディングテーマ(ジプシー・キングス)をイメージしていると伝えられたそうで、伴奏に散りばめられた哀愁漂うギターのニュアンスは、彼女自身も特にお気に入りのポイントだという。さらに、2コーラスが終わった後に半音上がるドラマティックな曲構成は、聴く者の感情を限界まで揺さぶる見事な仕掛けとなっている。
その壮大なサウンドに乗る歌声も、新たな進化を遂げている。デビュー当時の「どんと響く!直球ボイス!」の芯の強さはそのままに、今作では「ミックスボイス(地声の響きを持ったファルセット)」を多用している。透明感と切なさが同居する美しい高音域は、この楽曲の最大の聴かせどころであり、彼女のボーカリストとしての懐の深さを改めて証明するものだ。

そして、今作を語る上で絶対に外せないのが、プロモーションに全面的に取り入れられた「殺陣(たて)」の要素である。公開されたジャケット写真やアーティスト写真、さらには公開が待たれるミュージックビデオにおいて、津吹は初めて「袴」を身にまとい、凛々しく刀を構える姿を披露している。もともと大のミュージカル好き・舞台好きとして知られる彼女は、自身の大きな目標である「座長公演」(第一部でお芝居、第二部で歌謡ショーという演歌界の王道スタイル)を見据え、昨年4月から殺陣師・清水佳彦氏(剣戯乃会)のもとで本格的な稽古を積んできた。
今年2月、川崎・坂戸御嶽神社の節分祭にて寒空のもと本格的な殺陣を初披露し、観客から大喝采を浴びたことはオトカゼでも報じた通りだ。
清水氏から「非常に稽古熱心でセンスがいい。何より殺陣が好きだという気持ちが伝わる」と太鼓判を押されるほどの没頭ぶりで、津吹自身も「小さな頃からずっと憧れていた世界。実感したのは、殺陣は優しさだということです。実際に相手の呼吸を感じ取ることも大切だと感じました」と、殺陣を通して表現者としての精神性を深く学んでいる。
「周りを見る力を学ぶことで、普段の生活の視野が広がった」と語るその視線は、すでに次世代のエンターテイナーとしての覚悟に満ちている。
「歌と殺陣のコラボレーションを一つの形にしていきたい」——そう力強く宣言する彼女にとって、この『あふれる涙が伝うとき』は、歌×殺陣という新しいエンターテインメントへの扉を開くための大切な一曲だ。喜びも哀しみもすべてを許し包み込むような優しさと、刃のように鋭く研ぎ澄まされた表現力。津吹みゆというアーティストの“今”と、未来への強い意志が凝縮されたこの渾身の勝負作を、ぜひ全身で受け止めてほしい。
2026年7月15日発売
津吹みゆ「あふれる涙が伝うとき」

「あふれる涙が伝うとき」
作詩/北爪葵 作曲/四方章人 編曲/西村真吾
c/w「海神の祈り」
作詩/日野浦かなで 作曲/遠山 敦 編曲/遠山 敦
日本クラウン CRCN-8859 ¥1,550(税込)
【Amazon】あふれる涙が伝うとき/海神の祈り – 津吹みゆ
▼こちらは名作ドラマ『鬼平犯科帳』のエンディングテーマとなったジプシー・キングスの「インスピレイション」(Inspiration)






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