
夏海ありさが七夕の日に、亡き恩師・伴謙介氏との“時空を超えた共演”。三回忌となる12月28日にはメモリアル歌謡祭を開催へ
一年に一度、織姫と彦星が邂逅を果たす七夕の日。夏海ありさが7月7日、東京・港区のマリーグラン赤坂にてバースデーライブを開催した。この日は「TANABATA Lunch Show」と銘打たれ、第一部では真咲よう子と島雅也によるデュエット曲「愛ふたたび。」発表会を開催。続く第二部として行われた「夏海ありさバースデイミニライブ」は、夏海にとって恩師であり、人生のかけがえのないパートナーでもあった故・伴謙介氏への深い愛情と尽きることのない感謝に満ちた、温かく奇跡的な時間となった。

ステージ前半、夏海は目にも鮮やかなマリンブルーのウエディングドレス姿で登場。まずは、美しく澄んだ声で「My sweet heart~あなたがいるから~」「最後のキスの前に」の2曲を披露し、観客を魅了した。
歌い終えた夏海は思い出を振り返った。
「『My sweet heart~あなたがいるから~』は伴謙介先生に師事して8年目に、八王子の京王プラザホテルでディナーショーをさせていただいたんですけど、そのときにエンディング曲として先生がプレゼントしてくださった曲です。今日、会場にもお越しくださっていますが、庄司龍先生が素晴らしいアレンジをしてくださいました」

そして、「最後のキスの前に」についても口を開いた。同曲は2018年2月にリリースされた「東京にくちづけ」のカップリング曲。もうひとつのカップリング「煌めく明日へ」を含めこの3曲は、すべて伴氏が彼女のために書き下ろした渾身の作品だ。しかし、そのリリースからほどなく、伴氏が突然倒れ、車椅子での生活を余儀なくされる。


夏海は献身的に介護を続け、さらにその後に襲ったコロナ禍も重なり、これらの楽曲をファンの前で歌う機会はほとんど失われていたという。
その葛藤の歳月を夏海が「師匠であります伴謙介先生が倒れてしまったのが、7年前ですが、『最後のキスの前に』を出して3カ月後のことでした。ですので、あまり皆さんに聴いていただく機会がありませんでした」と振り返ると、しんみりとした空気が流れた。
しかし、「何が困るかというと、歌詞を忘れちゃったことと、(当時の)衣装が入らないことです(笑)。今日は入る衣装を着てきました」と、ユーモアを交えて笑顔を見せ、客席を温かい笑い声で包み込んだ。

夏海ありさは、天国から優しい歌声を届けてくれた最愛のパートナー 伴謙介氏とデュエットした。
続く「南国の夜」では、スピーカーから伴氏の優しく甘い歌声が会場に響き渡った。それに寄り添うように夏海が声を重ね、時空を超えた二人による奇跡のデュエットが実現。客席は静かな感動に満たされた。

TANABATA Lunch Showの司会を務めた川田恋。1975年に歌手デビューし、 3年後には「モダンカンカン」の最年少メンバーとなりテレビ、ステージで活躍した。現在は司会者や漫談など幅広く活動し、夏海ありさがお色直しする際には、びっくりチキン(胴体を押すとニワトリのような鳴き声を出す玩具)と共に、青江三奈の「伊勢佐木町ブルース」を歌うなどして観客を楽しませた。

島雅也とKAZが大前あつみ&サザンクロス with ジュンが歌いカラオケの定番曲となっているデュエット曲「洒落た関係」を披露。伴謙介氏が作曲した人気曲で花を添えた。
ステージ後半、シックで大人びたタイトなマーメイドドレスにお色直しをして現れた夏海は、別れた男性への苦悩を切々と歌い上げるミディアムバラード「東京にくちづけ」を熱唱すると、伴氏が残した音楽という名の“遺産”を、今度は自分が守り、世に伝えていく決意を語った。

「先生は自分には子供はいないが、作品が子供だと話されていました。伴先生が残してくださったたくさんの曲がございます。私は今、歌い手の方のお手伝いをさせていただき、伴先生の楽曲を世の中に出していきたいという気持ちをすごく強くもっています。今日は(真咲よう子・島雅也『愛ふたたび。』発表会が開催され)本当に感無量です。先生も今日は見に来てくれていると思います。どんなに喜んでいるのかなと思います」


さらに、軽快な「港ヨコハマmy love」を華やかに歌い上げると、幼い頃の憧れを懐かしむように、「伴先生の元で勉強をさせていただいたあとも、演歌作品を3曲リリースしましたが、じつはちっちゃいときはアイドル志望だったんです(笑)。ドレスを着て歌えるような曲を歌いたいとお願いしてつくっていただいた曲が、『港ヨコハマmy love』です。今でもたくさんの方に歌っていただけて本当にうれしく思っています」と語りはじめた。
するとステージには、伴氏の繊細で美しいピアノ演奏の生音源が優しく流れ始める。あたかもそこに伴氏が佇み、ピアノの鍵盤に指を置いているかのような演出に、夏海は愛おしそうに耳を傾けた。
「今のカラオケは素晴らしい音になりましたが、伴先生は生の演奏にものすごくこだわっておられました。毎年毎年、生演奏のライブをさせていただきましたが、私がトークをする場面では、ピアノを弾いてくださるんですね。今日は伴先生との共演でございます」


そして、最愛の恩師を偲ぶ年末の特別な約束をファンと交わした。
「じつはもう、今年は伴先生の三回忌なんです。12月28日の命日には、伴先生の曲を歌っていただいているたくさんの歌い手さんと一緒にメモリアル音楽祭を生演奏でお届けする予定です。ぜひ、皆さんにもお越しいただければと思います」
夏海は本編のラストに、伴氏が作詩・作曲を手がけた、希望に満ちたメッセージソング「煌めく明日へ」を力強く響かせると、アンコールでは、夏海のためにドラマチックにリアレンジされた「イヨマンテの夜」を圧倒的な歌唱力で熱唱。終演後、会場の送り出しBGMとして2人のデュエット曲「魅惑の赤坂シャララ」が静かに流れるなか、バースデーライブは深い余韻を残して幕を閉じた。

この日、夏海ありさは何度を天を仰ぎ、亡き夫と会話をしているようだった。
最愛の恩師が遺した珠玉のメロディーを歌い継ぎ、またプロデューサーとして未発表の遺作を他の歌手へ提供する活動にも力を注いでいる夏海ありさ。彼女の歌声と思いは、音楽家・伴謙介氏の魂を未来へとつなぐ架け橋となり続ける。
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2018年2月21日発売
夏海ありさ「東京にくちづけ」

「東京にくちづけ」
作詞/かず翼 作曲/伴謙介 編曲/庄司龍
c/w「最後のキスの前に」
作詞:河村淳子 作曲/伴謙介 編曲/庄司龍
c/w「煌く明日へ」
作詞/伴謙介 作曲/伴謙介 編曲/庄司龍
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91019 ¥1,324(税込)





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