
デビュー25周年の山口ひろみ、新曲「三江線」で大ヒットのゴール狙う! 因縁の地で明かした亡き父との和解と遺言
山口ひろみが6月17日、デビュー25周年記念曲「三江線(さんこうせん)」をリリースし、同月21日の「父の日」に東京・大手町のライブレストラン「俺のフレンチ グランメゾン TOKYO」で新曲発表会を開催した。発表会を前に山口は、「こんな私が25年も歌わせていただけていることに、ただ驚きと感謝の気持ちでいっぱい」と心境を告白。新曲に込めた思いや、亡き父との数奇な縁、さらには初の作曲挑戦や熱中するサッカーワールドカップ(W杯)の話題まで、25周年を迎えた現在の率直な思いを語った。

2002年5月22日にシングル「いぶし銀」でデビューして四半世紀。自身の歩みを振り返った山口は、とりわけ大きな転機として海外公演での経験を挙げた。これまでアメリカや中国、台湾のステージに立ってきたが、現地の人々から「日本人はなぜ自分たちの文化をもっと大事にしないのか」と問われたという。
「自国の文化を大事にすることと、異国の新しいものを取り入れることは同じこと。自分のベースを大事にしながら他を受け入れなきゃいけないと教えてもらった」
そう明かすと、師匠・北島三郎の教えとも重なるその言葉を通じ、「私の幹は演歌。ここを絶対にブレずに大事にして、そこから伸びる枝葉としていろんな音楽を表現していく」と、プロとしての腹が据わったという。


そんな確固たる決意を秘めてリリースされた新曲「三江線」は、前々作・前作に引き続き作詞に麻こよみ氏、作曲に弦哲也氏を迎えた王道演歌だ。舞台は、かつて広島県の三次から島根県の江津を結び、惜しまれつつ廃線となった実在のローカル線。弦氏の哀愁漂うメロディーと南郷達也氏の編曲に乗せ、愛する母を残して故郷を後にすることができず、一歩踏み出せずに恋を失った女性の後悔と未練が歌われている。
切なすぎる世界観ゆえに、レコーディング時には自身の母親の顔が重なり、泣きすぎて弦氏から「気持ちが入りすぎると歌が良くなくなるからダメだよ」と注意されたという。先日行われた店頭キャンペーンでも、かつて歌手を目指して大阪を離れる際、駅で母に見送られた情景がフラッシュバックしてボロボロに泣いてしまったと告白。「でも、今日の新曲発表会では絶対に泣かないと心に決めている」と自らに言い聞かせていた。

曲中で「母を残して 行けなくて」と歌う山口だが、新曲発表会の日程は奇しくも「父の日」だった。山口が0歳の時に両親は離婚しており、漫才師だった父の奔放な振る舞いから、大人になるまで父親に対しては恨みの気持ちが強かったという。しかし、2021年の結婚を機に和解へと至り、今年の1月には最期を看取ることができたと明かした。
さらに、会場となった「俺のフレンチ グランメゾン TOKYO」が入居する東京サンケイビルは、晩年の父が働いていた因縁の場所だった。「何箇所か候補の会場を見せていただいた中で、ここに決まったのも偶然ですし、父の日に発表会をさせていただくのもまったくの偶然。何か不思議な力で父に導かれているのかなと感じる」と数奇な巡り合わせに思いを馳せた。
最期まで破天荒だったという父の遺言は、「お金がないから、50万でも10万でも5000円でもいいから大島紬を買ってくれ」という無心だったというエピソードも披露。「ステージで母を想って涙が出そうになったら、父の大島紬を思い出して笑いに変えて歌おうと思う」と語った。


一方、カップリング曲の「夜桜恋あかり」では、山口自身が初めて作曲に挑戦している。三味線を特技としながらも曲作りは苦手としてきたが、25周年の節目にスタッフから「あえて一番苦手なことに挑戦しよう」と提案された。
お風呂の中で鼻歌を歌いながらメロディーを考え、忘れないように脱衣所に置いたボイスレコーダーに録音するという作業を繰り返したという。同じ歌詞に対してメジャー調、マイナー調、歌謡曲風の3タイプを作り、最終的にメジャー調を採用。「皆様が覚えやすくて、歌いやすいこと」を重視して制作した結果、すでにカラオケ教室で課題曲として教えられているという報告を受け、喜びを見せた。
しかし、初作曲の件は師匠の北島三郎には「『こんな曲作りやがって』と言われると思うので口が裂けても言えない」と、いまだ内緒にしていると明かした。

また、会見が行われた日は、北米で開催されているサッカーW杯の真っ只中。熱狂的なサッカーファンとして知られる山口は、この日行われる日本対チュニジア戦の話題になると一段と熱を帯びた。
「サッカーつながりのサポーター(ファン)が、みんないつも来てくれるのに、今日は誰も来てくれないんですよ」とこぼしつつ、チュニジア戦については「相手は監督も代わって雰囲気が変わっているし、日本は引いて守ってくるチームに苦戦することが多い。簡単な試合にはならない」と玄人はだしの分析を展開した。
そして、歌手活動とサッカーの共通点として「チームプレー」を挙げ、「ステージの上に立つのは私一人ですが、バンドの皆さんやスタッフの方々が誰一人欠けても歌うことはできない」と語気を強めた。
自身がピッチに立つならどのポジションかという問いには「全体のバランスを取りながらゲームを組み立てる10番、攻撃的ミッドフィルダー(MF)あたりがいい」と答え、発表会のステージではヒットというゴールを決めるために最高の歌声を届ける決意を誓った。

山口ひろみの新たなスタートを祝福した作曲家・弦哲也氏(左)と、作詞家・麻こよみ氏。前半の着物姿から一変。山口はウェディングドレスをアレンジした華やかな衣装で後半のステージを務め、「三江線」などを披露した。
その後行われた新曲発表会には、作詞の麻こよみ氏、作曲の弦哲也氏も祝福に駆けつけた。両氏からの直接の激励を受けた山口は、大勢のファンが見守る中、会見での宣言通り、最後まで涙を見せることなくパフォーマンスを披露。「三江線」の切ない曲の世界をしっかりとファンに届け、自らメロディーを紡いだ「夜桜恋あかり」も情感たっぷりに歌い上げた。
なお、山口が熱い視線を送っていた日本代表は、日本時間21日にメキシコ・モンテレイで行われたW杯グループF第2戦でチュニジアに4-0で快勝。1勝1分けで勝ち点を4に伸ばしてグループ2位につけ、決勝トーナメント進出に大きく前進した。
日本代表の鮮やかな勝利は、自身の歌手人生をチームプレーに例え、“攻撃的ミッドフィルダー”として25周年のピッチに立つ山口の背中を力強く押した違いない。新曲「三江線」の大ヒットという最高のゴールへ向けて!
2026年6月17日発売
デビュー25周年記念曲
山口ひろみ「三江線」

「三江線」
作詞/麻 こよみ 作曲/弦 哲也 編曲/南郷達也
c/w「夜桜恋あかり」
作詞/本郷ひかる 作曲/山口ひろみ 編曲/遠山 敦
テイチクエンタテインメント TECA-26029 ¥1,700(税込)










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