有沙瞳

元宝塚・有沙瞳、涙の歌手デビュー記念ライブ。ファンのサプライズと、はやぶさの祝福に感激!

初めてのキャンペーンではCDの予約客が誰もいない! まさにゼロから始まった彼女の挑戦は今、大歓声と温かい拍手の中で、鮮やかな花を咲かせようとしていた——。

「2025年日本クラウン新人歌手オーディション」での“ニッポン放送賞”受賞をきっかけに、6月3日にシングル「さよならは黄昏に」で待望の歌手デビューを果たした有沙瞳が6月15日、東京・渋谷のSHIBUYA PLEASURE PLEASUREで、門出となる「有沙瞳 デビュー記念ライブ」を開催した。

有沙瞳

ゼロからのスタートと、“二刀流”への覚悟

2012年に宝塚歌劇団へ入団し、約6年8カ月にわたって星組の娘役スターとして人気を博した彼女は、2023年8月の退団後、幼い頃からの夢だった歌手への道を自ら切り拓いた。この日、会場には宝塚時代からの熱心なファンと、彼女の歌声に惹かれて集まった新たなファンが駆けつけた。

本番前に応じた会見で、有沙瞳は「本当に皆様のおかげで、今日という日を迎えることができました。感謝の気持ちでいっぱいです」と満面の笑みを見せた。

「たった30分のキャンペーンために皆さんが集まってくださることが本当にありがたくて。今日も想いが溢れてしまうかもしれませんが、精一杯務めさせていただきます」

今年4月の「夜桜演歌まつり」で初めてデビュー曲を披露して以降、俳優業の傍らで精力的にキャンペーンを重ねてきた。しかし平坦な道ではなかった。

「初めてのキャンペーンでは、CDを予約してくださっていた方が誰もいなかったんです。でも、歌い始めると、通りすがりの方が立ち寄って聞いてくださって・・・」

地道な活動は実を結び、「今では私の歌を聴いてくださる方がだいぶ増えてきているのかな」と微笑む。

歌手・有沙瞳の魅力は2.5オクターブという音域から発せられる声量と音圧だ。

「普段は声が高くてキャンキャンしているんですが(笑)、歌になるとキリッと決めるというか、エッジがかかるところに皆さんいつもびっくりしてくださいます。キャンペーンなど距離が近いと、『エネルギーや圧がすごい』と言っていただくのですが、それは宝塚などの舞台でマイクなしでお稽古をしていたからなのかなと感じています」

地元の三重・鈴鹿ハンターショッピングセンターでのキャンペーンでは多くの人が集まった。

「鈴鹿を離れて15年も経つのに、幼い頃の私を知る方々が見に来てくださって感激しました。もっともっと成長して、大きくなって帰っていきたいなという気持ちが強くなりました」と、これまでの歩みを噛みしめるように振り返る。

また、宝塚の舞台と演歌・歌謡曲の世界との違いについては「アプローチの仕方が全然違う」と分析し、美空ひばりを目標とする。

「クラシック寄りのミュージカルとは違って、演歌や歌謡曲は低い音域を地声で歌ったり、こぶしを回したりするので、音域も表現の仕方も全然違うなと思います。こちらの世界観にはまだ慣れていませんが、美空ひばりさんのような言葉を届けられる歌手に、心に寄り添える歌手になりたい」

変幻自在の歌声と、先輩たちからの温かいエール

緊張とワクワクの中で迎えた本番。いよいよ幕を開けると、有沙は演歌・歌謡曲を中心としたセットリストでステージに挑んだ。

トレードマークのティアラを着け、美しい白のレースのワンピース姿で登場した有沙は、まずはデビュー曲「さよならは黄昏に」から披露。失恋の歌だが、最後は相手の気持ちを断ち切り、一人で歩いていく力強さやかっこよさがある。

「初めて作品をいただいた時、『あ、私らしいかも』。曲調も明るくてノリノリなので、私のパワフルなところに合っていると思いました」と会見で語っていた通り、伸びやかでパワフルな歌声を響かせた。

そして、歌い終えると客席を見渡し「本当に、本当に本当に本当にうれしく思います」と喜びを爆発させた。

前半のカバーコーナーでは、オーディション決勝で歌唱した林あさ美の「恋してオモナ」をはじめ、岩崎宏美の「ロマンス」、初挑戦となる杏里の「悲しみがとまらない」を披露。さらに、所属事務所の先輩である田川寿美の作品から大好きな一曲「女人高野」、初挑戦となるが、水森かおりの「五能線」を見事に歌い上げた。

「田川さんからは『背負いすぎないでね、気を遣いすぎないでね』って言葉をかけていただいて、『あなたのその瞳がすごく澄んでて、キラキラしてるから本当に素敵だから、もうそのまま育ってね』って。すごい優しいお言葉をいただいて、思わず涙がこぼれました」

先輩からの温かな言葉に勇気をもらったという。

「水森さんからもすごく背中を押していただきました。夜桜演歌まつりの時も、舞台袖でモニターを見ていてくださって、『うん、名曲だ』って言っていただいて(笑)。その水森さんのおかげで『千鳥の鬼レンチャン』にも出させていただけて、テレビで歌うのは初めてだったんですが、“ヤバいやつ”っていうことが世界中に、あ、そこまでではないか。本当に日本中に知れ渡ってしまって、ちょっと大丈夫だったかなと思ったんですけれども(笑)、あれが素ですので、しょうがないなと思いつつ(苦笑)、少しでも多くの方に知っていただけたのかなと思うと本当に感謝です。皆様により魅力的だと思っていただけるよう、歌手として一歩ずつ頑張って参りたいなと思っております」

ユーモアを交えながらの語りには、会場も思わず笑い、拍手を送った。

ワンピースから可憐な着物へ。圧巻の三味線弾き語り

中盤には、事務所の先輩である新世代歌謡グループ・はやぶさのヒカル(大滝ひかる)とヤマト(駿河ヤマト)がお祝いに駆けつけた。

「はやぶささんとはいろいろとお仕事でご一緒させていただくことも多く、宝塚をやめてから一番近くで優しい言葉で励ましてくださったお二人です」

有沙がそう語る通り、息の合ったステージを展開。大滝ひかるとは美空ひばりの「川の流れのように」を、宝塚ファンを公言する駿河ヤマトとはディズニー映画『アラジン』の「ホール・ニュー・ワールド」をデュエットし、はやぶさも最新曲「ときめきはチャチャチャ~スナックはやぶさへようこそ~」で後輩の晴れ舞台に華を添えた。

有沙瞳

有沙瞳

ライブ後半には、ファンを驚かせるサプライズが待っていた。

イメージカラーであるピンクの着物にお色直しをした有沙は、なんと津軽三味線を構えて登場し、長山洋子の「じょんから女節」を力強いバチさばきとともに弾き語りしたのだ。

「昨年のバースデーライブで少しだけ弾かせていただいたら、『えっ、弾けるの?』って反響をいただきまして、今回また挑戦させていただきたいなと思って練習してきました。ステージでこうして三味線を弾かせていただくのは初めてだったので、本当に手が震えてしまったんですけれども、皆様の温かい手拍子に本当に助けられました」

安堵の表情を浮かべ、「このお着物もですね、作っていただいたんです。可愛いですよね!」と無邪気な笑顔を見せると、続けて民謡「秋田船方節」にも初挑戦し、幅の広さを見せつけた。

終盤は、彼女が尊敬してやまない美空ひばりの「真赤な太陽」「愛燦燦」を情感豊かに歌唱。「歌手になって、改めて美空ひばりさんの素晴らしさを実感しました。まだまだ美空ひばりさんのように心に届く歌は歌えませんが、少しでも近づけるように精進していきたいと思って歌わせていただきました」と静かに語りかけた。

「泣かない!」強がりの後にあふれた、大粒の涙

その後は再びはやぶさを呼び込み、3人で水前寺清子の「三百六十五歩のマーチ」を元気いっぱいに歌い上げると、客席からは大きな手拍子が湧き起こり、会場全体が晴れやかな笑顔と温かな一体感に包まれた。

「楽しい時間はあっという間。次が最後の曲になってしまいました。宝塚を卒業して、こうしてまた皆様の前で、今度は『歌手』として歌えることが本当に幸せです。これからも、俳優として、そして歌手として、二刀流で一生懸命頑張ってまいります」

力強く宣言し、本編の最後にもう一度デビュー曲「さよならは黄昏に」を熱唱すると、「ありがとうございます」と一礼し、ステージを後にした。

有沙瞳

しかし、ファンの熱気は冷めやらず、鳴り止まない手拍子に応えて有沙が登場。デビュー曲のジャケット写真で着用しているエレガントなドレス姿に身を包み、「アンコールありがとうございます。また着替えてまいりました~(笑)」とおどけてみせた。

そんな彼女の目に飛び込んできたのは、客席のファン全員が「有沙瞳 でびゅう~おめでとう」と書かれたメッセージカードを高く掲げくれている光景だった。

「泣かない!」

この日は決して涙を見せないと心に決めていたのだろう。思わず強がってみせた有沙だったが、溢れる想いをもう抑えきれなかった。美しい瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちた。

さらに、はやぶさの2人からは特製ケーキが運び込まれた。

「今日は忘れられない一日になりました。これからも皆さまの心に寄り添えるような歌を歌っていきたいです。改めて、歌手としてデビューできたこと、そして皆様とこうして同じ時間を共有できたことを本当に幸せに思います」

有沙瞳

感極まりながらも、深い感謝の言葉を述べると、アンコールではカップリング曲「嫌よ、ダメよ、いいよ」で艶やかなファルセットを響かせ、最後はこの日3度目となる「さよならは黄昏に」を会場全体とひとつになって歌い上げた。

宝塚時代に培われた2.5オクターブという驚異的な音域と豊かな表現力、そして天真爛漫な素顔。演歌、歌謡曲、ポップス、ミュージカルと様々なジャンルを横断した全17曲のパフォーマンスは、俳優と歌手の“二刀流”として羽ばたく有沙瞳の輝かしい未来を確信させるものだった。

なお、この日は昼夜2回公演で開催され、夜公演は「有沙瞳 芸能生活15周年記念コンサート~終わりのない この道~」と題し、宝塚時代の星組同期・天華えまをゲストに迎えた特別なステージが披露された。

セットリスト
「有沙瞳 デビュー記念ライブ」
M01 さよならは黄昏に
M02 恋してオモナ
M03 かもめが翔んだ日
M04 ロマンス
M05 悲しみがとまらない
M06 女人高野
M07 五能線
M08 川の流れのように(with ヒカル)
M09 ホール・ニュー・ワールド(with ヤマト)
M10 ときめきはチャチャチャ~スナックはやぶさへようこそ~(はやぶさ)
M11 じょんから女節(津軽三味線弾き語り)
M12 秋田船方節
M13 真赤な太陽
M14 愛燦燦
M15 三百六十五歩のマーチ(with はやぶさ)
M16 さよならは黄昏に
–アンコール–
EN01 嫌よ、ダメよ、いいよ
EN02 さよならは黄昏に


2026年6月3日発売
有沙瞳「さよならは黄昏に」
有沙瞳

「さよならは黄昏に」
作詩/朝倉翔 作曲/大谷明裕 編曲/竹内弘一
c/w「嫌よ、ダメよ、いいよ」
作詩/Siwoo・Ryo Takahashi 作曲/Siwoo・宇田川 翔 編曲/宇田川 翔
日本クラウン CRCN-8846 ¥1,550(税込)

【Amazon.co.jp限定】さよならは黄昏に/嫌よ、ダメよ、いいよ – 有沙瞳 (特典:メガジャケ付)


有沙瞳


profile
有沙瞳(ありさ・ひとみ)
1993年8月4日生まれ
身長: 161cm 血液型: O型
出身地: 三重県鈴鹿市
趣味: 神社巡り、写真撮影、幸せさがし
2012年宝塚歌劇団に98期生として入団。
2013年雪組に配属、『一夢庵風流記 前田慶次』新人公演初ヒロイン、『るろうに剣心』で初のエトワールに抜擢される。
2016年に星組へ組替え、数々の作品でヒロインを務め好評を博す。
2023年『1789 -バスティーユの恋人たち』マリー・アントワネット役で退団。
在籍中は池田泉州銀行のイメージガールにも就任。
退団後は、舞台を中心に活躍。

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