
プライムライブが開幕。きくりんと葉月みなみがMCを務め、“演歌歌手”風ノ翔馬が漫談で「神々」を獲得。優勝はウォーターズ
プライム事務所が主催するお笑いライブ(プライムライブ)が今年も開幕した。
3月31日、東京・港区の赤坂チャンスシアターで今年最初のライブが開催され、中井貴一のものまねで有名なきくりんと、“マジカルボイス”葉月みなみがMCを務めるなか、全11組が出場、ウォーターズが優勝した。
また、演歌歌手の風ノ翔馬がプライムライブに初参加し、葉月みなみ賞を受賞した。
今回のプライムライブにはプライム、グレープカンパニー、トゥインクル・コーポレーション、サンミュージックの4つのお笑い事務所に所属する芸人が登場。風ノ翔馬はフリーでの出場となった。
プライムライブは毎月1回開催され、今後が期待される若手芸人が主に出場。観客の投票によって勝者を決定し、12月に決戦大会が行われる。葉月みなみをwebCMに起用した大分の本格焼酎「神々」(株式会社LINES)などがスポンサーとして賞品を提供している。
今回もコント山口君と竹田君の山口ひろかずが見届け人として見守るなか、きくりんが葉月が世界配信した前作を取り上げ、「葉月さんのことをネットで調べたら、こんな顔して歌っている曲が“コブラ”なんです」とイジると、葉月が「昭和アニメ『スペースコブラ』の主題歌『コブラ』です。最新作は『バラの香水』です(苦笑)」とエクスキューズするオープニングでライブがスタートした。

ウォーターズ
優勝は“とう”と“魂人(たまひと)”によるウォーターズ(グレープカンパニー)が獲得。スキマバイトのマッチングアプリでやって来た破天荒すぎるバイトくんと店長とのコントで笑わせた。
エル・プランニング賞(賞品:L-TINO Tシャツ)はGたかしとRocky石井(サンミュージック)に、葉月みなみ賞(賞品:「神々」と「歌の手帖」最新号)はミヤケ隊(グレープカンパニー)、しゃこ(プライム)、風ノ翔馬(フリー)に贈られた。

GたかしとRocky石井
GたかしとRocky石井はそれぞれピンでも活躍するモノマネ芸人。モノマネ芸人がご本人と対面したときのやりとりを2人が交互に繰り出し、笑い飯のようにWボケの漫才をみせた。
出番後のアピールタイムでは、Gたかしが出来上がったばかりのカツラを披露。藤岡弘、を演じるために購入したそうだが、19万円もしたと明かし観客を震え上がらせた。

ミヤケ隊
ミヤケ隊は隊長のトシキと隊員のマサシによる漫才師。じつは兄弟だが、顔が全然似ておらず兄弟だと言われないとわからないという特技(!?)があり、兄弟ネタでも笑いをとった。

しゃこ
しゃこはピン芸人として出場。婚活に愛鳥のピースケと共にやって来た女性を演じる一人コントでしゃこワールドを展開した。

風ノ翔馬
風ノ翔馬は昨年、両A面シングル「青春は片道切符/哀愁の音色(おと)」でデビューした演歌歌手だが、元・吉本興業所属の漫才師だ。高校生お笑いナンバー1を決めるハイスクルールマンザイ2017で優勝し、コンビ解散後はピンで「“演歌芸人”二山しょう」(命名:三山ひろし)として活躍した。
演歌歌手として飛躍するため今年1月に上京したが、最初のライブが決まったと思ったら“お笑いライブ”だった、などのエピソードトークで観客の心をつかんだ。実際、今回の出場は急転直下で決まったそうだが、どんな歌でも演歌として歌えるという特技があり、アピールタイムではあいみょんの「マリーゴールド」を演歌調で披露。MCのきくりんから「仕上がってますねえ」との言葉をもらった。
また見届け人の山口は全組がネタを披露したあと、「芸人としてやっていくには芸に芯がないといけない」という総括をした際に、「君たちにはまだ芯がないから、“演歌歌手の暇つぶし” “関西人”を超えられないんだよ」と風ノ翔馬を比較対象に挙げるほど。出演後、「緊張しました」と語っていたが、元芸人としての力を発揮した。
なお、風ノ翔馬は演歌歌手のほか歌謡ショーでの司会・前口上としての顔も持つ。
プライムライブ2025開幕戦のMCを無事務めた葉月みなみは「今回もまたMCを経験させていただきました。つたないMCだったかもしれませんが、フォローくださった芸人の皆様に感謝の気持ちでいっぱいです」と語った。
またMCとして登場する際には、遠方やご近所(徒歩圏。六本木のマジックバー)からもファンが駆けつけ黄色い声援で迎えられ気分をよくしていたが、元教員や教員免許を持っている芸人が多いことに驚いていた。
「私も教員免許を持っているので、今度は免許状を持つ芸人の皆さんとユニットを組んでプライムライブに挑戦してみようかな」と言ったとか言わなかったとか。
次回、プライムライブは4月21日に同会場で開催される。果たして・・・。
プライムライブのその他の出場者はドン・クサイ(プライム)、片倉ブリザード(グレープカンパニー)、じょっくす。(サンミュージック)、ゆきけむり(トゥインクル・コーポレーション)、アホガード(グレープカンパニー)、ベロニカ・ジャクソン・ジュニア(サンミュージック)の皆さん。

ドン・クサイ
俳優やレスラーとしても活躍する身長182センチのドン・クサイは「デブはダイエットに詳しい」とダイエットネタで勝負した。なお、俳優として認知症介護の現実を描く映画「生きる」に出演予定だ(公開日未定)。

片倉ブリザード
片倉ブリザードはリズムネタと小道具ネタを組み合わせたハイブリッドタイプのネタを披露した。

じょっくす。
芸人になる前は数学の高校教師だったというじょっくす。は会社員のシュールなネタをみせた。

ゆきけむり
ゆきけむりは亡くなってしまった元恋人の墓前で、熱い思いを語りすぎるダメ男に現恋人がブチ切れる恋愛カップルコントを披露。実際にありそうな光景を切り取ったリアリティのあるコントで笑いを誘った。

アホガード
見た目のインパクトが大だったのが、特異な髪型のしゅうご と岡本によるコンビ アホガード。美容院でのコント漫才で笑わせた。アピールタイムではしゅうごがTikTokで65万再生されたという一発ギャグも披露した。

ベロニカ・ジャクソン・ジュニア
ベロニカ・ジャクソン・ジュニアはM-1グランプリファイナリスト 馬鹿よ貴方は の新道竜巳と、インドとパキスタンのハーフながら大宮で生まれたため日本語しか話せないアリによって結成されたM-1用ユニットコンビ。会話が噛み合わない掛け合い漫才だが、新道のアリに対するぼやき漫才にもなっていた。
アリはアニメ「サイボーグ009」に登場する002(ジェット・リンク)ばりの高い鼻を持ち、モデルとしても活躍する。