辰巳ゆうとが初挑戦のサックスで新曲「星くずセレナーデ」を披露。3年越しに実現した自身初となる浅草公会堂でコンサートに「今日がスタートです」
辰巳ゆうとが10月30日、東京・台東区の浅草公会堂でスペシャルコンサートを開催、満員御礼となる1000人のファンを前に2時間半を超えるステージで全22曲を熱唱した。
コンサートタイトルは「辰巳ゆうとスペシャルコンサート2023~ときめきをあなたに・幸せを信じて~」。新曲「星くずセレナーデ」の歌詞からインスパイアされたタイトルだ。3年越しに実現した、自身初となる浅草公会堂でのステージでは、初披露となるサックスを演奏しながら「星くずセレナーデ」を歌うなどチャレンジングなステージでときめきを届けた。
浅草公会堂での公演は、当初、「辰巳ゆうとコンサート2020~卒業、そしてこれから~」と題したセカンドコンサートを、大学卒業日の翌日、2020年3月20日に予定していた。しかしコロナ禍により延期(同年7月30日の延期公演も中止)となったため、辰巳ゆうとにとっては初めての同会館でのステージとなった。
「デビューさせていただいて、いままで一度もこの浅草公会堂にお邪魔したことがなかったので感慨深い気持ちです。ここは演歌歌手にとって憧れのステージ。登竜門のひとつです。3年越しとなりましたが、今日、ステージに立てるのがものすごくうれしい。セカンドコンサートのときは、バンドとのリハーサルも終わっていたあとでの中止だったので、悔しい思いと、楽しみにしていてくださる皆さんへの申し訳ない気持ちでいっぱいでした」
本番を前に記者会見に臨んだ辰巳は、「今日はそのときの悔しかった気持ちを笑顔に変えたいと思いますし、やっと皆さんと一緒にすっきり解決できそうです。ひとり残らず全員に、『今日、来て良かった』と思ってもらえるコンサートにしたいと思います。今回は、自分がやりたいことを凝縮したコンサートになっています。皆さんに感動と勇気をお届けしたい」と力を込めていた。
目玉は、初披露となるサックス演奏だった。
「二十歳のころ、デビューしたころからやりたいと思っていました。サックスを吹く姿がかっこいいなと思って。最初は自分が吹くというより、見て聴いているだけでしたが、実際に吹きたいという思いが昨年ぐらいから強くなってきて、『星くずのセレナーデ』をレコーディングしたときに、サックスのソロがすごくかっこよかったので、習うならこのタイミングだなと思ってチャレンジさせていただきました」
とはいえ、サックスの練習を始めたのは、コンサートの1カ月前だった。
「ただ単に吹けば音が出るわけでもなく、独特の吹き方などをマスターするのが難しかった。本番が近づいてきてもまだマスターできなくて、スタッフの方からはサックス演奏は次回に持ち越したらどうかと言っていただきましたが、それが悔しくて、なんとか皆さんに聴いていただける程度には吹けるようになりました」
「お借りしたサックスですが、自分の楽器のように扱ってきました。この1カ月間、一緒に全国各地を回って(練習して)きたサックスと、今日でお別れかと思うと寂しいですが、感謝の気持ちを込めて吹きたいと思います」
また、所属事務所の先輩で、現在活動を休止している氷川きよしの作品にも挑戦するという。辰巳にとって氷川は憧れの歌手。氷川のデビュー5周年記念曲「きよしのドドンパ」の衣裳を気に入り、チェックの赤い帽子を被って保育園に通っていたほどだ。
「いままでは氷川先輩の歌を歌うのは、大好きだからこそ歌わないという気持ちも強かったんですけれど、今、お休みされている中で、やっぱり氷川先輩の曲を、僕も含めて、また聴きたいなという気持ちをお持ちの方がたくさんいらっしゃると思います。僕では物足りないかと思いますが、氷川さんの名曲を、尊敬と敬意をもってカバーさせていただきたいなと思いました。ただ、まだ氷川先輩には恐れ多くて伝えられていません(苦笑)。事後になりますが、『歌わせていただきいました』と報告をさせていただこうと思います」
「コンサートの最後には皆さんと一緒に笑いたい」
この日のために新調した黒のロングジャケットに黒パンツ姿でステージ上段に現れた辰巳ゆうとは、挨拶代わりに「誘われてエデン」を歌うと、「ようこそ、浅草へ。一緒に幸せな時間をつくっていきましょう」とファンに呼びかけ、続いて「センチメンタル・ハート」「ふたりは翼」の2曲を披露。振り付けのあるダンサブルな作品でファンの心をつかんだ。
このスペシャルコンサートには辰巳の思いが詰まっていた。会見でも次のように語ってた。
「いままでのコンサートではスタッフさんに頼りきっていた部分が多かったのですが、今回は自分がいいと思うものを凝縮したコンサートにしたいと思い、やりたいことを提案させていただきました。プレッシャーや不安もありますが、皆さんに感動や勇気をお届けできるよう一曲一曲、届けていきたいと思います」
コンサートの前半はシングル作品から先の「誘われてエデン」「センチメンタル・ハート」に加えて、白のジャケット姿でデビュー曲「下町純情」や「雪月花」、「心機一転」などを歌唱した。
さらには最新シングル「星くずセレナーデ」のカップリング曲からCタイプ「心のランプ」、Bタイプ「海が泣いてる」、Aタイプ「ぬくもり」を紺のロングジャケット姿で届ける。カップリング曲の3曲はすべてがラブソングになっており、辰巳がそれぞれの男ごころを演じ分け、語りかけるように歌っている。
そして、「この日のために振り付けをつけていただいて覚えてきました」と、新たな振り付けで「星くずセレナーデ」を披露すると、中盤には同じ所属事務所の憧れの先輩 氷川きよしの作品から「箱根八里の半次郎」「一剣」の2曲をカバーした。
後半の辰巳は、オリジナルアルバムから「惚れて千両・無法松」「竜馬道」などを披露し、最後は司会者・西寄ひがしの前語り入りで前作シングル「心機一転」のカップリング曲「長編歌謡浪曲『坂本龍馬』」を熱演・熱唱してステージを降りた。歌謡浪曲は生誕100周年となる三波春夫さんの実娘でもある三波美夕紀氏による作詞作曲作品だ。
ここまで20曲。ステージの幕は降りたが、まだまだ余韻が残っている。アンコールに応えて幕が上がると、そこにはサックスを手にした辰巳がいた。「お~」という声が客席から漏れるなか、辰巳はサックスを演奏しながら「友よ」と新曲「星くずセレナーデ」の2曲を届けた。
「コンサートが近づくにつれて緊張感もありましたが、本番を迎えることができホッとした気持ちです。サックスの演奏を含めてリハーサルのときからすごくいい状態で本番に臨めそうです。僕だけじゃなく、スタッフのたくさんのサポートがあって今日を迎えることができたので、“辰巳ゆうとチーム”の絆の強さも皆さんに感じてもらいたい。コロナ禍の規制も緩和されたからこそできるコンサートになっているので、一生懸命がんばって、次につながるコンサートにしたい」
本番前にはこうも語っていた辰巳だが、その思いはファンに届いたか? 答は12月17日午後6時から歌謡ポップスチャンネルで、テレビ初独占放送されることが決まった「辰巳ゆうとスペシャルコンサート2023~ときめきをあなたに・幸せを信じて~」でも確認することができる。本番では涙を抑えることができなかったが、その感動シーンも含めて・・・。
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「いつか“マイサックス”が買える日が来ることを楽しみにしています。これからいろんな曲が演奏できるよう練習していきたいですし、次はピアノにも挑戦したい」と意欲的だった辰巳ゆうと。コンサートを終えると、「大事な一日だと思ってすごくがんばってきましたので、無事に終えることができてよかったというのが率直な気持ちです。でも、今日が次に向けてのスタートです。もっともっと成長する姿を皆さんに見せたい。これからもいい意味で期待を裏切れるようにがんばります」と爽やかな笑顔をみせた。
なお、11月23日には茨城・日立市民会館で「辰巳ゆうとスペシャルコンサート2023」が開催予定で、来年1月31日には「星くずセレナーデ」のジャケットとカップリングの異なるDタイプ、Eタイプ、Fタイプの3タイプが発売されることも決まった。
「この一年は、充実した日々を過ごさせていただいています。応援してくださる方にたくさんお会いできているからです。ですからやり残したことはないですが、これからの目標は紅白歌合戦。年末の紅白を目指してがんばっていきたいと思います!」
2023年9月13日発売
7thシングル
辰巳ゆうと「星くずセレナーデ」
【Aタイプ】
【Bタイプ】
【Cタイプ】
★「星くずセレナーデ」(A・B・Cタイプ)は各種音楽配信サービスでも配信中。