梅谷心愛が日本レコード大賞 新人賞を目指し、ライブで“成長”をPR。「いつかは座長公演も」
「日本レコード大賞の新人賞受賞を目標にがんばっていきます」。日本記念日協会が認定した“PRの日”の10月12日、デビュー3カ月の梅谷心愛は大きな目標に向け、自身の成長をPRする歌声を届けた。
祖母の影響で演歌・歌謡曲が大好きになった梅谷心愛は小学校2年生、8歳のころから歌を始め、小学校を卒業すると歌手を目指して家族で上京。数々のコンテスト番組や音楽番組にも出演し、テレビ朝日系『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』では、“美空ひばり博士”として活躍した。
歌手の夢が叶ったのは今年7月5日。“令和の昭和歌謡少女”として、福島を舞台にした「磐越西線ひとり」でデビューした。若干15歳だった。
梅谷心愛、15歳。成長の変化を届けたい
「梅谷心愛、15歳です。10月12日、PRの日ということで、皆さんの前で私の歌を聴いてもらえる機会をいただけてすごく幸せです。これから本番ですが、すごく緊張しています」
東京・赤坂のミュージックレストラン「MZES TOKYO」で開催された「梅谷心愛 PRライブ」。リハーサルを終えた梅谷は本番を前に緊張していたが、「リハーサルから『さあ、がんばらないとな』という気持ちと一緒に、いい意味での緊張のなかにいるかなと思います」とも語り、久しぶりにファンの前で、たくさんの歌を届ける機会を楽しみにしていた。
「デビューして3カ月が経ちました。あっという間です。デビューする前、デビューしてすぐ、そして今と、その時々でいろいろな経験をさせていただいたので、今日は成長した私を皆さんにPRできたらいいなと思っています。小学生のときは好きな歌ばかりを勉強していましたが、今では歌の世界を自分なりに読み解いて、皆さんに伝えられるように歌っています。自分の感性で表現するというのもあるんですけど、“変化”が届けばいいなと思っています」
恋を失った少女がみちのくを旅する失恋歌「磐越西線ひとり」から歌い始めた梅谷は、「がっつり緊張しておりますが、気合いを入れております。最後まで全力でやりきりますので、温かい応援をいただければうれしいです」とあいさつ。「小学生を卒業してすぐに、家族5人と猫8匹と一緒に上京してまいりました。もう4年目に入るんですが、たくさんの出会いに恵まれまして、ここまで来ることができたかなと思います」と、熱心なファンに感謝した。
続いて梅谷は「小学生のときから大切に歌わせていただいている2曲です」と、細川たかしの「望郷じょんがら」と、美空ひばりの「人生一路」を届けると、「今の私の等身大の作品ですが、皆さんの背中を押してくれる曲にもなっています」と、デビュー曲のカップリング曲「あこがれ橋」を披露した。
この曲では、ファンは手拍子と“こころ”コールで梅谷と歌を楽しんだ。
「何かの復帰戦(笑)? かと思うほど温かい応援をいただきましてありがとうございます。うまく手拍子が合わなかった人は、音楽アプリでも曲が聴けるので練習してもらえるとすごくうれしいな(笑)」
太地喜和子さんレベルの色気
このPRライブでは、普段のキャンペーンでは歌わない曲も準備してきた。
「今までの私の活動を振り返って、新しい一面を知ってもらうための選曲です。以前は好きな曲だけを歌っていたのですが、上京後は演歌・歌謡曲以外のジャンルにもチャレンジさせていただくようになったので、PRライブではそうした作品も聴いていただきたいなと準備してきました」
梅谷が披露したのは、テレビドラマの主題歌にもなった手島葵の「明日への手紙」と、中森明菜や椎名林檎がカバーしたことでも有名な、EGO-WRAPPIN(エゴラッピン)の「色彩のブルース」だった。
「J-POPと演歌では声の出し方、抑揚のつけ方などテクニックがまったく違います。そこも聴いてほしい」
リハーサルでそう語っていた梅谷。果たして、その思いは届いたのか?
「15歳ってほんと? どこからそんな色気が出てくるの? 昔の樹木希林さんとか太地喜和子さんレベルの色気が出ている。椎名林檎のあんな曲まで歌うなんて。まさに大型新人。本当にすごいと思う」
梅谷とのコラボでピアノ演奏を行う音楽家・中尾唱はステージに上がると、「音程がまったくぶれない」と梅谷の歌唱力に驚き、さらには彼女が待つ歌の世界感に唖然としていた。
中尾唱は、NHKの音楽番組『新・BS日本のうた』の指揮と編曲でも知られる音楽家。近年では丘みどりのシングル「雪陽炎」を作曲するなど、作曲家としても活躍している。
梅谷は中尾から褒められると、「緊張がすごくて、(衣裳の)手袋の中は汗びっしょり」と笑った。
PRライブのエンディングへ向け、梅谷は中尾のピアノ伴奏で、大好きな美空ひばりの「愛燦燦」、沢田研二の「時の過ぎゆくままに」を雰囲気たっぷりに歌唱すると、観客から大きな拍手をもらった。
「『愛燦燦』は難しい作品ですが、アップデートできたかなと思います。沢田研二さんはお祖母ちゃんが大好きで、『今のあなたに歌えますか?』という感じで、チャレンジしてみなさいと言われたんですが、沢田研二さんの声、パフォーマンスの魅力に惹かれていきました。今では私も大好きです」
私もそう・・・なります!
わずか15歳なのか、もう15歳なのか。新人なのかベテランなのか? 一般人にはない凝縮した歌人生を歩んでいる梅谷は、「緊張していましたが、楽しい時間を過ごさせていただきました」と話すと、「ここはこう歌ってと、私なりに研究して歌うことができたかなと思っています」とPR。本番前に「意識しかしていない」と明かしていた目標をファンに伝えた。
「これからも全力で行きます。今年の大きい目標として、日本レコード大賞の新人賞受賞を目標にがんばっております」
ファンに力強い応援をお願いすると、梅谷はラストにもう一度、デビュー曲「磐越西線ひとり」を歌って安堵の笑顔を見せた。
デビューして3カ月だが、梅谷は10月6日~10日まで日本橋劇場で行われたミュージカル『時をかける少女』にも出演、活動の幅を広げた。
10月26日には16歳の誕生日を迎えるが、演じることにも興味が沸き、「いつかは座長公演」という新たな目標もできた。
「あっという間の5日間10公演でした。歌の世界とは違った世界を見ることができて、勉強させていただきました。歌以外のことにもいろいろチャレンジしたいなと思いますし、また演技したいな。今回は勉強・勉強・勉強でした。公演から2日経って、ようやく自分の中で『あのときはこういう動きをしたほうがよかったかな』とか思えるようになりました。この反省を次に活かす機会があればいいな。今回はアンドロイド役だったので、次は人間味のある役をやりたいですね。憧れの市川由紀乃先輩や島津亜矢先輩のように座長公演ができたらいいですね。美空ひばりさんも演技が素晴らしい方でしたので、私もそう・・・なります!」
「そうなれるようにがんばります」ではなく、「なります!」と宣言した梅谷心愛。10月26日の誕生日には「家族と一緒に食事して、久しぶりに渋谷とかをうろちょろしたい(笑)」と少女らしさも垣間見せたが、所属レコード会社の徳間ジャパンコミュケーションズの北島浩明社長が「音楽業界で何かすごいことをやるんじゃないか、という雰囲気を持っている。将来の大スターに育てるべく、全力でプロモートしていきます」と宣言するほどの可能性をみせたPRの日となった。
~梅谷心愛の挑戦する目力~作曲家 弦哲也
会場には、デビュー曲の作曲家・弦哲也氏も姿をみせ、梅谷心愛への思いを語った。
「新人の歌手の作品を手がけるのは、ある意味楽しみでもあるし、緊張するし、苦しみ悩むこともあります。歌手の将来を決めてしまうスタートの作品をつくるわけでから。
梅谷くんにかぎらず、“天才歌手”と呼ばれるちびっ子のスターがこの世に出てくるわけですが、大成するのが難しい世界です。僕自身もこの世界で生きてきた人間として、そう感じています。ですけれど、梅谷くんを初めてレッスンしたとき、挑戦する目力をすごく感じました。子どものころからテレビに出て、ステージにも立って歌っているけれど、この子だったら何かやってくれるだろう。(プロ歌手として)また新たな15歳の旅立ちをみせてくれるだろうという予感を持ちました。
でも、歌い手・アーティストがひとりでがんばっても大成する世界ではありません。たくさんの皆さんにご支援いただいて、育てていただくことがないかぎり、スターへの階段を登ることはできません。今日、この日をひとつのきっかけとして、ご指導いただきながら末永く梅谷心愛をご支援いただければと思います」