石川さゆり、加藤登紀子、斎藤ネコ

石川さゆりの「残雪」が藤田まさと賞を受賞。作詩作曲の加藤登紀子、編曲の斎藤ネコらを表彰

▲前列は左から担当ディレクターの佐藤尚さん、斎藤ネコさん、石川さゆりさん、加藤登紀子さん、テイチクエンタテイメント代表取締役社長の栗田秀樹さん。後列は左から日本音楽著作家連合の四方章人さん、幸耕平さん、さいとう大三さん、かず翼さん。

石川さゆり

「この1年、50周年記念曲として『残雪』を歌ってきて、そしてこんな大きな賞をいただけて幸せです」と石川さゆり。

石川さゆりの「残雪」が令和4年度の藤田まさと賞を受賞し、1月17日、東京・千代田区の海運クラブで開催された日本音楽著作家連合 新年懇親会の席上で表彰された。

藤田まさと賞は、日本人の心を捉え、かつ大衆歌謡として評価された作品に贈られるもので、令和4年度は39作品の候補曲の中から「残雪」が選ばれた。同曲は加藤登紀子が作詩・作曲し、斎藤ネコが編曲を手がけ、石川さゆりデビュー50周年記念 第一弾シングルとして、昨年3月25日にテイチクエンタテインメントから発売された。

令和4年度 藤田まさと賞「残雪」
作詩:加藤登紀子
作曲:加藤登紀子
編曲:斎藤ネコ
歌唱:石川さゆり
制作:(株)テイチクエンタテインメント

加藤登紀子

「最初に提出した曲は佐藤さん(ディレクター)にダメ出しをいただきました(笑)」と加藤登紀子。そのダメ出しが有り難かったそうで、最後につくった曲が「残雪」だった。

授賞式では、日本音楽著作家連合の四方章人会長と幸耕平理事長から受賞者に賞状などが贈られたが、受賞者を代表して加藤登紀子が「歌手としてではなく、作詩・作曲者として受賞したことにとてもありがたい思いでいっぱいです」とあいさつした。

「石川さゆりさんから50周年の歌をつくってほしいと声をかけていただきました。とってもうれしくて夢中になって曲を作り始めました。今、私たちが向き合っている世界はあまり穏やかな世界ではないというお話しもいただきまして、心の底にあるものを歌に託して、最後にできあがったのが『残雪』でした。ネコさんのアレンジがとても劇的で、イントロを聴いただけでも、厳しく吹き付ける吹雪が見えるような仕上がりでした。さゆりさんという、本当に心の底まで届くような絵を描くことができる歌い手に曲を書かせていただけたことを有り難く思っています」

石川さゆり、幸耕平

日本音楽著作家連合の幸耕平さんからは、石川さゆりに花束が贈呈された。

そんな加藤の言葉を受けて、石川はみんなで作品をつくり、みんなが表彰されたことがうれしいと話した。

「私たち歌い手は表現者です。表現者としてレコード大賞や歌謡大賞などいろんな賞をいただいてきました。でも、作詩・作曲家の先生がいなければ歌は生まれません。またレコード会社はもちろんですが、『残雪』の編曲者である斎藤ネコさんや、なりよりディレクターの佐藤尚さんも表彰していただけたことがすごくうれしい」

石川さゆり

石川さゆり

授賞式では、石川さゆりが「残雪」を歌唱した。

「残雪」は“帰りたくても帰れない、でも忘れない故郷がある”ことがテーマになった作品だ。石川には「天城越え」など代表曲が多く、情念の世界を歌わせたら右に出る者がないほどだ。だが、石川が50周年に歌いたいテーマはそれではなかった。大震災やコロナ、あるいは戦争によって厳しい現実と向き合っている人の心に寄り添う歌を歌いたかった。

「子ども(駆け出し)の頃、阿久悠先生に『さゆり、ニュースを見なさい』と言われました。今、日本では何が起きているのか? 世界では何が起きているか? それを思う時、人の心の支えになったり、背中を押したりできる歌を歌えたら素敵だろうなと思いました。50周年の曲を考えた時に、自分が生きてきた場所に、帰ることができない人たちがいること。それは身近な生活の中にあることを歌えたらいいなと思いました」

授賞式では石川による「残雪」の歌唱も披露され、石原は「これからも日本人の心を、そっと寄り添える歌を歌っていけたらいいですね」と結んだ。

 

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2022年3月25日発売
デビュー50周年記念曲第1弾
石川さゆり「残雪」
石川さゆり

「残雪」
作詞・作曲/加藤登紀子 編曲/斎藤ネコ
c/w「風帰行」
作詞/吉岡治 作曲/ソン・ミンホ 編曲/若草恵
テイチクエンタテイメント TECA-22020 ¥1,350(税込)

デビュー50周年記念シングル第1弾シングル「残雪」は作詞・作曲に加藤登紀子を迎え、故郷に馳せる熱い思いを、荒涼とした大地を飛ぶ渡り鳥になぞらえた一曲。“帰れない故郷” “帰らない故郷”。今の時代、改めてそれぞれの故郷への思いを石川さゆりが歌に乗せて伝える。