川奈ルミが22周年を祝うディナーショーを開催。「30周年、40周年、50周年…と歌っていく素晴らしい歌手に」と、デヴィ夫人からビデオメッセージも。
川奈ルミが11月29日、東京・渋谷区のミュージックレストラン「ラドンナ原宿」でデビュー22周年記念ディナーショーを開催。ハスキーボイスとパワフルな歌唱力で、ファンを魅了した。
川奈は中学生の時にラテン音楽、カンツォーネに魅せられ、18歳で大阪から上京。歌手を目指してライブクラブ等で活動し、作曲家・朝月廣臣氏に師事する。そして2000年6月に歌謡曲「湖愁記」でデビュー。現在はラテン音楽の重鎮・アントニオ古賀氏にも師事し、歌謡曲&ラテン歌手として活躍している。
そんな川奈は2020年に20周年記念曲「愛遙かに」をリリースしたが、コロナ禍でお祝いする機会がなかったという。だが、22周年を祝う記念ライブには遠方からもファンが駆けつけ、約100名の席は満席に。「今年も寒くなってまいりましたが、今日のライブでは、お客さまに私の歌を聴いて熱くなって帰っていただきたい」と、まずはオリジナル曲「踊りましょ」から歌い始めた。
ライブは2部構成となった。前半は岸洋子の「酔いしれて」、桂銀淑の「すずめの涙」、川奈が“神様”として崇める青江三奈も歌った「大田ブルース」、松山千春の「純」など、ファンからのリクエストが多かった昭和歌謡を中心に披露し、ラストにメキシコのラテン音楽「アドロ」を聴かせた。
ハスキーな声が今では持ち味となっている川奈だが、少女の頃に歌うと、音痴だったこともあり、みんながひっくり返って笑ったという。しかし、15歳の時、叔父が連れて行ってくれたサパークラブで「アドロ」を聴き、歌に目覚めたという。同曲は歌手・川奈ルミの原点でもあった。
前半にはサプライズもあった。この日、会場に来る予定だったデヴィ夫人からビデオメッセージが届いたのだ。
川奈は9歳の頃からデヴィ夫人(当時はインドネシアのスカルノ大統領夫人)の大ファンだった。「雑誌で見たデヴィ夫人を見て、なんときれいな人なの」と、デヴィ夫人のキリヌキを集めるほどだった。
今では、容姿が似ていることもあり、デヴィ夫人が「あたくしに顔もそっくり。双子のよう。Twinデヴィです」と紹介してくれたことから“小デヴィ”と呼ばれ、一緒にキューバへ旅行した際には、双子だと勘違いした現地の人が「(2人とも)若くて綺麗。とても80歳代とは思えない」と褒めてくれたという。「私は25歳過ぎなんですけどね(苦笑)」。
スクリーンに映し出されたデヴィ夫人は「皆さんとご一緒したかったんですけれども、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)の撮影が一日延びまして、タイにいることになってしまいました。本当に残念です」と語りかけた。
「彼女のハスキーボイス、比類なき歌唱力の魅力にとりつかれていらっしゃる皆さま、これからも、ぜひ彼女を応援、支援し続けてくださいませ。そして、彼女が30周年、40周年、50周年…と歌っていく素晴らしい歌手になることをお祈りください。ルミちゃん、今日も頑張ってください」
デヴィ夫人も歌手・川奈ルミの大ファンとなり、川奈が2017年2月に発売した「貫く愛」では、それまでは他の歌手から何度も作詞を依頼されては断っていたにもかかわらず、彼女のために初めて作詞したほどだ。
後半は川奈のハスキーな声がさらに生きる「ダンシング・オールナイト」からリスタートした。情熱的な真っ赤なマーメイドドレスで現れた川奈は、続いて「曼珠沙華」をカバーすると、キューバ音楽の代表曲「ラグリマス・ネグラス」や、「エル・コンドル・パサ(コンドルは飛んでいく)」などを熱唱した。
途中、客席から見守っていた恩師・アントニオ古賀のリクエストで、「その名はフジヤマ」をぶっつけ本番で披露し、ファンと一緒に盛り上がった場面では、「心臓が飛び出しそう」と吐露していた。
ラストの曲は20周年記念曲「愛遙かに」で締められた。
「コロナ禍で世の中は大変な年でしたが、私自身はマイペースでライブをやらせていただいたりして、とても充実した1年でした。来年は新曲も予定していますし、本当の意味で心機一転の年にしたいですね。いままでも数々のライブをやってきましたが、より大きな会場でたくさんのお客さまに見ていただきたいですね。そして、来年こそ『NHK紅白歌合戦』を目指して全力で頑張ります」
「愛遙かに」を歌い終わった川奈は、客席からのアンコールに応え、「マイ・ウェイ」の原曲「コム・ダビチュード」を披露した。“コム・ダビチュード”とは、フランス語で「いつものように」という意味。川奈は「今の私の心境です」と話して熱唱。会場に歌声を轟かせた。
なお、ライブでは歌手仲間のダニエル・ダンがゲスト出演し、「ゴッドファーザー」と「太陽は燃えている」を歌ってステージを盛り上げた。
2020年10月7日発売
川奈ルミ「愛遥かに」
デビュー20周年を飾る記念曲「愛遥かに」は、愛する人に一途に思いを届ける情熱的なラブバラード。パワフルな中に切なさや健気な心情が込められた川奈のボーカルが印象的な一曲。「距離があって会えないのか、もう亡くなってしまって愛する人と会えないのか……。いろいろ想像できるシチュエーションですが、私は亡くなってしまったとは思わないようにしています。寂しくなっちゃうから。前半の二行の語りの部分と歌うところの強弱をつけてドラマチックに。あとはもう好きな人を思い出して歌っていただければ」(川奈)。カップリング曲「愛の休日(ホリデー)」は、1979年に雪村いづみが発表した作品を川奈のリクエストでカバーした。「雪村いづみさんが歌われたコマーシャルソングで、子どもの頃に聴いたこの曲をいい歌だなって思ってすごく覚えていて。すごく幸せそうな、希望があふれている歌詞がすごく好きです。私の願望かな? 曲も最高なんです。雪村さんみたいに素敵には歌えませんけど、私なりに一生懸命がんばって、この曲をもっと多くの方に知っていただきたいなと思います」(川奈)