
丘みどり、生配信ライブで情熱的に演じて魅せる。ファンに「心からの感謝」

オープニングは赤い着物で登場。丘は東京へ進出して2作品目となった「佐渡の夕笛」を熱唱した。
丘みどりが9月20日夜、東京・新宿のライブハウス「新宿BLAZE」から「丘みどり2020配信LIVE Vol.2 ~秋麗(あきうらら)~【Streaming+】」と題した生配信ライブを行った。今回の配信ライブは、丘の誕生日である7月26日に実施して以来、2回目となった。
「佐渡の夕笛」で登場した丘は「あらためまして、皆さん、こんばんは~」と、画面の向こうのファンに呼びかけた。
「今日の配信ライブは“秋麗”(あきうらら)というタイトルです。冬の後に訪れる、のどかな陽気のことを“春うらら”と言うのと同じように、暑い夏が終わり、過ごしやすい陽気のことを“秋うらら”と言います。そんな秋の夜長を丘みどりの歌で心地よくなっていただければと思います」
10月7日に発売する、デビュー15周年記念作品となる「丘みどり 15周年ベストアルバム」の収録曲を中心に、「霧の川」「鳰の湖」「北国、海岸線」をはじめ、ファン投票によって同アルバムに収録された「別離(さよなら)の切符」などを披露した。また尊敬する美空ひばりの名曲から「日和下駄」「車屋さん」をカバーした。
2016年の「霧の川」は大阪から東京へ進出し、ミステリアス演歌・第1弾として丘の知名度を上げた特別な曲だ。
「大阪から東京へ出まして、キャンペーンというものを一番した曲じゃないかと思います」と丘。「全国のスーパーや、レコード店、カラオケ喫茶、カラオケスナックを回りました。この曲を聴くと当時のいろんな思い出が蘇ります。楽しいことばかりじゃなかったですけどね」と振り返っていた。
また、東京進出までの10年間は、歌いたくても歌えなかった時期もあったとのことで、休みはいらない、歌えるならどこででも歌いますと決意表明をしたところ、「2年間、ほとんど休みがなくなった」と笑った。そして、こんなエピソードも披露した。
「霧の川」のキャンペーンでは、ファンと一緒に歌うコーナーがあったという。
「お客様は自分の好きなキーで歌われて、私はそのキーに合わせて一緒に歌うのですが、マネージャーの中村さんが毎回、カラオケのキーとテンポを間違えて、その人がキーをマイナス4でお願いしますって言っているのに、テンポを下げてしまって、き~~り~~の~~って(スローテンポに)なったり、その逆もあったり(笑)」

新作の演魅「紅涙のエレジー」ではドレス姿を披露した丘。演魅スタート時や、「別れの朝」を歌う直前にはベートーベンの「月光」(幻想曲風ソナタ)が流れる演出も。
丘のコンサートと言えば、“演じて魅せる”演出が魅力。「演魅(えんび)」と題した組曲が観客を惹きつけてきた。今回のライブでは見せ場として、「紅涙(こうるい)のエレジー」と題した新作の“演魅”を初披露した。
舞台上の丘を囲むように3枚の姿見(鏡)が立てられ、「シルエット・ロマンス」「ルージュ」「別れの朝」「難破船」と、女性の悲しみ、女性の涙をテーマした曲をドレス姿で熱唱。歌いながら、鏡に口紅で「さよなら」などの文字を書くなど、芝居と歌が融合した情熱的なパフォーマンス。ラストの「難破船」では、感極まって涙を流す場面もみせた。
曲間では、リアルタイムに寄せられるコメントを読み上げながら視聴者と交流した。最前列から見ているような感覚を味わってもらいたいと、超至近距離からカメラで撮影するというサービスでも楽しませ、約90分にわたって全13曲を熱唱した。

いま、一番お気に入りの着物を着て、視聴者に笑顔で応える丘。「また第3弾、第4弾と(配信ライブを)続けていけたらと思っております。そして直接コンサートでお会いできる日を楽しみにしております」。
「秋の夜長の配信ライブ、楽しんでいただけましたでしょうか? 15周年の今年、本当はたくさんコンサートをする予定だったんですが、それが全部なくなってしまい、それでも私のことを忘れずに応援してくださる皆さんに、心からの感謝の気持ちを伝えたいです。いつも応援してくださってありがとうございます」
コロナ禍により多くの人が影響を受けているが、とくにエンターテイメント業界はダメージが大きい。歌を歌えない歌手もつらいが、生歌を聴くことができないファンもまた寂しい。それでも、いつかは光が見える。
“泣かないわ 負けないわ みんなが みんながいるから”(「花の旅・夢の旅」の歌詞より)
最後は「五島恋椿/白山雪舞い【夢の花盤】」のカップリング曲として収録された、「花の旅・夢の旅」で締めくくった。
「年末に向けてさらに頑張ってまいります。皆さん、会えない期間、いつも温かい応援ありがとうございます。もうすぐ笑顔で再会できる。そう信じて笑顔で前を向いて歩いていきましょう。ひとりではないです。これからも末永くよろしくお願いします。画面の前にいてくださる皆さん、本当にありがとうございました」
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2020年10月7日発売
「丘みどり 15周年ベストアルバム」

キングレコード KICX-1117 ¥2,909+税
デビュー曲「おけさ渡り鳥」から、最新曲「五島恋椿/白山雪舞い」まで15年の歩みを網羅した、丘みどり初となるベストアルバム。
「ベストアルバムを出すことはデビューした時からの憧れでした。デビューしてから現在のキングレコードに移籍するまでの10年間の曲は、15周年を迎えた今の丘みどりの声で聴いてもらいたくて、歌を録り直しました。発表した当時とは、微妙に歌い方や声質が変わっていたりするので、昔のCDを持ってらっしゃる方は、聴き比べて楽しんでいただけると思います」(丘)。
【収録曲】
1.おけさ渡り鳥
2.日御碕灯台
3.風鈴恋唄
4.北国、海岸線
5.木曽恋がらす
6.椅子
7.何度も何度も~母への想い~
8.霧の川
9.別離(さよなら)の切符
10.佐渡の夕笛
11.雨の木屋町
12.鳰の湖
13.伊那のふる里
14.紙の鶴
15.五島恋椿
16.白山雪舞い
2020年5月27日発売
「五島恋椿/白山雪舞い」【夢の花盤】

「五島恋椿」
作詞/さいとう大三 作曲/弦 哲也 編曲/南郷達也
「白山雪舞い」
作詞/喜多條忠 作曲/弦 哲也/編曲/矢野立美
c/w「花の旅・夢の旅」
作詞・作曲/弦 哲也 編曲/南郷達也
キングレコード KICM-30985 ¥1,364+税
2020年1月29日にリリースされた両A面シングル「五島恋椿/白山雪舞い」の【夢の花盤】。新曲「花の旅・夢の旅」がカップリング曲として収録されている。