
笑いと感動の祭り!蒼彦太がデビュー10周年記念コンサートで魅せた、聴かせた!!
「僕はうどんの聖地、香川県で生まれ育った。うどんのように色白で、うどんのようにコシの強い、まさにうどんのような子どもだったそう。小学生の頃はSPEEDにハマり、ガールズグループのSPEEDに本気で入りたい!いや、入れる!と思ってカラオケで練習しまくった。しかし、SPEEDは解散。そんな頃、テレビで歌う氷川きよしさんに衝撃を受け、演歌歌手になると心に決めた。高校卒業と同時に上京。修業時代、はなまるうどんで働きながらデビューを目指す。いよいよ時が来た。キャッチコピー”はなまるメンズボーイ”。イメージカラー”うどんホワイト”。『ヒコタン』と皆様に愛され、2011年念願のデビューを果たす。あれよあれよと、あれから10年。さぬき男・夢の途中―!」
やんちゃな青年から大人の男性へ…蒼彦太10年の歩みをステージに
10月4日、東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールで、蒼彦太が「10周年記念わっしょいコンサート~さぬき男・夢の途中~」を開催し、歌手としての10年の歩みとともにその成長ぶりをファンに見せつけた。
緞帳が上がると、うどんホワイトとピンク色の王子様衣装に身を包んだ蒼がステージのセンターに現れ、憧れていたというSPPEDの「Body & Soul」から幕を開けた。
「構成の方と色々とお話ししていて、今回は10周年なので歌手になるまでの道のりを最初にやろうと。まずはSPEEDを歌おう。歌うだけじゃ面白くないから踊ろう!ということになりました。練習も酸欠になりながら……めちゃめちゃ大変でした。なぜなら、SPEEDさんはお二人で歌われているんですよね。僕はそこをひとりで……(笑)。必死でした!」
にぎやかに始まったコンサートは、蒼が演歌歌手を目指すきっかけとなったもうひとりの存在である氷川きよしの「箱根八里の半次郎」、そして思い出深いデビュー曲のカップリング曲「花まる街道旅鴉」からデビュー曲の「カラオケ流し」、2枚目のシングル「カラオケ情け~女将さん~」(2013年)、4枚目の「ねずみ小僧」(2015年)と続いた。
蒼がデビューしたのは2011年、当時23歳。幼い頃から歌が大好きで、歌手になりたいと強く思っていた。高校卒業後上京し、編曲家の伊戸のりお氏、作曲家の円香乃氏のもとで修業を積んだ。2010年にテレビ番組『演歌がええじゃん』放送500回記念の新人歌手オーディションにて優勝。念願だった歌手デビューへの切符を手にして、歌の道へ踏み出した。
「今日は初めての衣装を見ていただいていますけど……皆さん何で笑っているんですか(笑)? 中学の時に氷川さんを見てかっこいいと思った時から、僕もこんな王子様のような衣装を着てみたいと思っていました。もうテンションバク上がりです! 『カラオケ流し』でデビューした時の衣装は、白いタートルネックにジーンズ。思っていたのと違いました。当時キャンペーンを回っていると、お客様に『衣装買ってもらえないの?』とよく言われていました(笑)。でも今日は、またひとつ夢が叶った気がします」
男の強い決意や男の世界、人生の応援歌を歌う”漢字1文字シリーズ”三部作。この作品たちから、蒼は「”蒼彦太”としてのひとつの道しるべができたような気がしている。また”蒼彦太”の新たな道ができた」と話し、「樹」(2017年)「泥」(2018年)「梲(うだつ)」(2019年)の三部作を、固くこぶしを握り締め男らしく披露した。
「こうした応援歌を歌わせていただいているにもかかわらず、逆に僕は皆さんから力をいただくことが多くあります。皆さんに元気になっていただけたらな、と歌わせていただいてその時いただく皆さんからの拍手。帰り際にかけていただく応援のお言葉。本当に純粋にめちゃくちゃうれしいんです。よし、明日からまた頑張ろう!と思えるんです。そして、この”漢字1文字シリーズ”三部作を経て、もう少し僕も大人な歌を歌ったほうがいいのではないかということになりました。次はそんな大人の世界を表現できたらなと思います」
突然消えた愛する女性への思い綴った「 あゝ戻っておいで」(2020年「竜のごとく」c/w曲)、そして、八代亜紀の「舟唄」で聴かせ、前半を締めくくった。

「もっと自分を磨いて、より良い歌をお届けすること。そして歌だけでなく自分の心も磨き続けること。それが歌い手としてステップアップしていくために必要なことなんだと思います。歌を磨き、心を磨き……体は、毎日磨いております。ご安心ください。たくさん汗をかいておりますが、匂いはしないはずです(笑)」(蒼)。MCでは終始軽妙なトークでファンを沸かせた。
ここで、蒼といえば定番の着物に衣装を変え後半がスタート。村田英雄の代表曲のひとつ「花と竜」、そして「瞼の母」では表現力豊かな鬼気迫る熱唱で、会場中のファンを釘付けにした。

故郷を想い、オリジナル曲の「いわし雲」(2014年「八重洲の酒場」c/w曲)、吉幾三の名曲「酔歌」では彦太流に豪快に歌い上げた。
つづいて、着物からステテコに早替えして登場した蒼。これまでのじっくりと聴かせるステージから打って変わり、ここからは「わっしょいコンサート」のタイトル通りの明るい雰囲気でコンサートは進行していった。
【おちゃらけコーナー】では、ハナ肇とクレージーキャッツの大ヒット曲「スーダラ節」「ウンジャラゲ」とコミックソングを歌い、くるくると変わるコミカルな可愛らしい表情でファンを喜ばせた。

「王道演歌を歌うというのは僕の主軸としてひとつあるんですけれど、もうひとつエンターテイナーとしてお客様に楽しんでいただきたいという気持ちがあります。坂本九さんや植木等さんのように、みんなが笑顔になっちゃうステージをお届けしていけたらいいなと思っています」(蒼)
また、2019年に同じ事務所の天野涼と組んだ「彦と涼一座」で発表した「お祭り野郎」、「この世はどっこい」(2021年「男ひとすじ」c/w曲)では、ダンサー2名をしたがえて威勢良い歌声とパフォーマンスを披露。お祭り気分に染まった会場の盛り上がりは最高潮に達した。
歌手、そしてエンターテイナーとして。「これからもこの道を突き進んでいく」
「本日は『蒼彦太10周年記念わっしょいコンサート』ご来場いただきまして、改めて本当にありがとうございます。皆さんからの拍手をいただくと泣いちゃいそうになります。このコロナ禍というのは誰もが想像していなかったもので、大変な世の中になったなと思います。そして影響がこんなにあるなんて最初の頃は思ってもいませんでした。キャンペーンもできません。ステージも続々中止です。家に引きこもって、必要な時だけしか外に出てはいけない。皆さんも本当に大変な日々を過ごされたことと思います。10月になって緊急事態宣言が明けて、しかしまだ油断はできません。一番は体があってのことです。僕はいつもこうして応援してくださっている皆さんのことを思っています。元気かなぁって……。会えないじゃないですか。だから……今日は、会えて本当にうれしいです」

「あ~、泣いた泣いた(笑)! 何で泣くんだろう。泣くつもりないのに……」(蒼)。そして深々と頭を下げた。
こらえきれず涙を流しながらも、これまで支えてくれたすべての人への感謝の思いを伝えた蒼。最後は、10周年記念曲「男ひとすじ」を力強く歌い上げ、心を込めた熱いステージを終えた。
「僕、蒼彦太はデビューして10年が経ちました。10年というと、もっともっと大きなものだと思っていました。でも10年が経った今、まだまだひとつの通過点であります。きっと歌い手にとってゴールはないんだと思います。日々が修業で、日々が皆さんの支え合ってのステージなんだということをすごく感じます。今日はこんなにたくさんの皆さんに足を運んでいただきました。これからも僕は歌を磨いて、歌の道を精いっぱい突き進んでまいります!」

アンコールでは爽やかないつもの笑顔で登場し、緞帳で見えなくなるまでずっと客席に向かい手を振ってその感謝の思いを届けていた。
2021年3月24日発売
デビュー10周年記念曲
蒼彦太「男ひとすじ」
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「男ひとすじ」
作詞/久仁京介 作曲/弦哲也 編曲/南郷達也
c/w「この世はどっこい」
作詞/久仁京介 作曲/中島薫 編曲/石倉重信
徳間ジャパンコミュニケーションズ TKCA-91334 ¥1,227+税
Profile
蒼彦太(あおい・ひこた)
1988年12月26日、香川県生まれ。2010年にテレビ番組『演歌がええじゃん』放送500回記念の新人歌手オーディションにて優勝。2011年「カラオケ流し」でデビューを果たす。コロナ禍前は月2回行っていたヒコタンライブや股旅ライブ、テンプルキャンペーンなど精力的に活動。その他テレビ番組『竹島宏の歌MAX』準レギュラーや、同じ事務所に所属する天野涼とのユニット「彦と涼一座」などでも邁進を続けている。今年デビュー10周年を迎え、今後さらなる活躍が期待される。趣味は音楽・映像編集。また、故郷・香川の名物讃岐うどんを手打ちするなど器用な一面も。