水森かおりが大阪・新歌舞伎座での座長公演で千穐楽。観客に「頑張る力をありがとうございました」
水森かおりが大阪・新歌舞伎座で上演していた座長公演「水森かおり公演」が7月11日、千穐楽を迎えた。
座長公演は第1部「笑劇 大正浪漫~令嬢、難儀を引き受ける?~」と、第2部「水森かおりコンサート in 新歌舞伎座」で構成されており、7月5日からスタート(7日間、全10公演)。先に東京・明治座で6月18日から同27日まで上演(10日間、全15回公演)しており、初日から盛況のうちに幕を閉じたが、続く新歌舞伎座公演でも初日から大いに盛り上がった。
第1部の芝居は、大正デモクラシー華やかなりし東京で、雑誌記者を目指す男爵令嬢の女子大生・円条寺かおりが、特ダネ探しに奮闘しながら大騒動を巻き起こすドタバタ喜劇。女子大生役を演じた水森を、岸田タツヤ、石倉三郎、三林京子、同じ事務所の後輩歌手、岩佐美咲と辰巳ゆうとらが支えた。
後輩の岩佐と辰巳と共演した水森は「芝居では年齢差があまりない設定で、美咲ちゃんが18歳、ゆうとくんが20歳ぐらい、そして私が22歳なので、これでいいのかしらと(笑)。(衣装の)袴も短大の卒業式以来、着たのですが、何か違う自分を見るようで恥ずかしかったです。大きいリボンもつけたりして(笑)。でも、すごく楽しかったです」とコメントしていたが、日を追うごとに水森の演技力も増し、アドリブの応酬で笑いを誘うなど共演者たちとの息もぴったりで、喜劇らしく爆笑場面も随所にあり、最後まで専業の役者顔負けの演技ぶりを発揮した。
一方、第2部のコンサートは、水森が歴代の紅白衣装を日替わりで着用するという試みで魅せた。千穐楽のこの日は2016年の『NHK紅白歌合戦』で着た白の衣装で登場し、大ヒット曲「鳥取砂丘」や「熊野古道」を歌い、2019年の紅白で着た紫の衣装では、「釧路湿原」「五能線」、最新曲「鳴子峡」などヒット曲を熱唱。全13曲を歌い、「今日は紅白衣装をまた皆さまに楽しんでいただきましたが、今年も19回目の紅白出場を目指して『鳴子峡』で頑張っていきます」と、新曲のさらなるヒットを願っていた。
またコンサートでは、途中、第1部の芝居で共演した岩佐美咲と辰巳ゆうともステージに上がり、3人のコラボで大阪を舞台にした昭和の名曲カバーをカバー。辰巳と「ふたりの大阪」、岩佐と「雨の御堂筋」をデュエットした後、3人で「大阪ラプソディー」を歌った。
続いて共演の辰巳が両A面シングル「誘われてエデン/望郷」から「望郷」を、岩佐は最新曲「右手と左手のブルース」を歌ってステージに花を添えた。
岩佐美咲「いい経験でした」
水森のライバル記者役を演じきった岩佐は「水森先輩のライバルの役で、(公演の中で「私は若いですが、お嬢さまは違います」等々、)失礼なことばかり言ってしまいましたので、今日ここでまとめて謝らせてください(笑)。(2年ぶりの芝居は)いっぱい、いっぱいの状態から始まったのですが、終わってみると楽しかったなと思いますし、いい経験をさせていただきました」と話していた。
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なお、岩佐は8月13日に東京・なかのZERO(もみじ山文化ホール)にてデビュー10周年記念コンサートを開催する。
辰巳ゆうと「絆の深まりを実感」
水森のいとこ役を演じた辰巳は「今回、初めてお芝居に挑戦させていただきましたが、一日一日が毎日、違う緊張感があって、たくさんの皆さんに助けていただきながらチームワークや絆が深まっていくのを実感しました。みんなで一つのものを作っていく素晴らしさを、このお芝居を通じて学ばせていただきました」。
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なお、辰巳は8月8日に東京・日本橋三井ホールにて単独コンサートの開催を予定している。
水森コンサートのフィナーレは、昨年大みそかの『NHK紅白歌合戦』で着用した巨大豪華衣装を再現。前作シングル「瀬戸内 小豆島」を歌って客席を感動させた。
そして、千穐楽だけ演出としてカーテンコールが行われ、芝居の出演者全員が再登場し、ベテラン俳優の石倉は「初対面から非常に打ち解け合いまして、こういうこともあるんだなと・・・。歌い手さんとお芝居をさせていただくのは、島倉千代子さん以来で、40何年ぶりですが、華やかでいいですね。かおりんとは初対面から非常に打ち解け合いました」とコメント。同じくベテランの三林京子は「コロナで舞台が1年以上空いたのですが、今回の舞台の幕が開いた時、皆さんの手拍子で、何と温かいお客さんたちだろうと、もう胸がいっぱいになってしまいました。若い人たちと走り回って、稽古場で大丈夫かなと思っていたのですが、何とかまだいけそうです。また頑張ろうという勇気をこの公演でいただきました」と話していた。
座長として、明治座と新歌舞伎座での公演を牽引してきた水森は、「最初は、お二人とも厳しい方なんじゃないかなという印象があって、お稽古が始まるまでドキドキでしたが、本当に優しいお二方でした。今回、すごく楽しくできたのは、三林さんと石倉さんがしっかりと脇を固めてくださったからこそ、素人の私が楽しくできたのだと思います」と、二人に感謝していた。
そして、最後は最新シングル「鳴子峡」タイプDに収録されたカップリング曲で、今回の芝居のエンディング曲として作られた「明日への扉」を歌唱して、客席の声援に応えた。
「今日は、最高の千穐楽を迎えることができました。プロの俳優の皆さまと一緒に舞台の上に立ってお芝居をするのがとても新鮮で、楽しくて、貴重な経験をさせていただきました。こういう大変な中、足を運んでくださって、頑張る力を与えてくださったお客さまにも感謝の気持ちでいっぱいです。最高の千穐楽をありがとうございました」
千穐楽まで走りきった水森は、デビュー記念日となる9月25日に東京・中野サンプラザホールで、恒例のメモリアルコンサートを開催する。