「明治座7月 純烈公演」が開幕。「純烈結成以来の試練」とリーダー酒井。純烈の新たな1ページへ
純烈が初座長を務める「明治座7月 純烈公演」が7月2日、無事初日を終え、純烈のメンバー(酒井一圭・後上翔太・白川裕二郎・小田井涼平)のほか、第1部の芝居に出演した星野真里、曽我廼家寛太郎、磯野貴理が会見に臨んだ。
公演の第1部は芝居。20世紀初頭のアメリカ・ニューヨークを舞台としたミュージカル演出のコメディ「ラブレターを取り返せ!」だ。酒井、後上、小田井が演じる売れない3人組のコーラスグループに、成り上がった実業家の白川が1万ドルという破格の報酬話を持ちかけたことから次々と騒動が巻き起こる物語。随所に笑いがちりばめられているのはもちろん、心が癒やされる場面もある。
そして第2部は歌謡ショー「純烈コンサート2021『Love Letter』」。“純烈エアライン”という架空の航空会社の機長に扮した彼らの「あなたのハートにテイクオフ!」というアナウンスからスタート。『NHK紅白歌合戦』に押し上げてくれた大切な曲「プロポーズ」から歌い始め、9月に公開される主演映画『スーパー戦闘 純烈ジャー』のアクションシーン再現や、主題歌「NEW(入浴)YORK」の披露、かつて仕事で全国を回った純烈号(ワゴン車)を中心に据えたトークコーナー、初日スペシャルゲストの瀬川瑛子とのデュエットなど盛りだくさんの内容・演出で観客を楽しませた。
初日を終えた小田井は、「初日の舞台が無事に開き、ものすごくホッとしています。(感染対策のため)客席は満席ではなかったですけど、それを感じさせないお客様。コロナ禍での公演だということを忘れさせてくれるほど温かくて」と話すと、白川は「稽古の時から積み上げてきたものが出せてよかったと思います。安心して力が抜けました。自分自身に関しては緊張するのかなと思っていたんですが、リラックスできました。あと26回、千穐楽まで楽しくできそうです」とコメントした。
また後上は「周りのスタッフが支えてくれました。これまで初座長の実感が沸かなかったんですが、幕が開いてお客さんの顔を見たら“始まったな”という思いと、実感が沸きました。これまでの純烈の活動の延長線上に、この劇場公演があるんだと感じています」と、座長公演として老舗の劇場に立てたことに感慨深い様子だった。
そんな3人に対して、リーダーの酒井は、「はよ19日にならへんかな、と思う自分も正直います」と言う。純烈公演は7月18日まで行われ、初日を終え残り26公演が残っていた。
「ギリギリ初日に間に合ったというのが個人的な感想で、僕的には純烈結成以来、最大の試練でした。押っつけ押っつけ。稽古どうすんねんって時もあった。ですから無事、1日目が終わったなあ、という感想がいちばんで、あとはまた明日の準備をせなならん」と、気を引き締めていた。
ヒロインを演じた星野も「今まで演じてきたお芝居で、いちばんお稽古の時間が少なかったので、どうなることかと思った」と吐露していた。
稽古では全員がマスクを着用していた。開幕直前、稽古場から明治座へ場所を移して通し稽古を行う際には、スタッフ全員がPCR検査を受けたという。
「稽古場からこちら(明治座)に入る時に、PCR検査をして全員が陰性だった時には、みんなから拍手が巻き起こった」(小田井)という。
「明治座のような、しっかりとした舞台に立つのは初めて」と語った磯野は、「ずっとマスクをして稽古をしていたので、マスクを取っての芝居は一昨日のゲネプロ(本番さながらの通し稽古)と今日の2回だけ。だから(白川に)見とれちゃった」と笑わせていたが、コロナ禍での劇場公演を成功させるために、全員が緊張し集中していたようだ。ちなみに、磯野は名門家のマダムという重要な役を演じ、芝居の中では何度も白川に抱きしめられていた。
純烈公演は、芝居・歌唱ショーを通じて様々な演出・仕掛けが施されていた。後上がこれまでの延長線上にこの劇場公演があると語っていたように、ワゴン車“純烈号”で全国を回り、ようやく紅白出場という夢を実現した途端に襲われたメンバーのスキャンダルと脱退。現在の4人組となってしまった紆余曲折が劇場公演の裏テーマにもなっていた。
だからなのだろう。白川が公演中に涙ぐむ場面もあった。酒井が説明する。
「(2019年1月)前川清さんの明治座での50周年の晴れ舞台に出させていただく予定が、スキャンダルがあって4人になってしまった。当時、出演辞退を申し入れさせていただいたんですが、前川さんと明治座さんが“頑張って”と言ってくださり、再スタートの舞台に立たせていただくことができました。でも、あの時僕たちが思っていたのは、『明治座での舞台はこれが最後だろうな。再び明治座さんに呼ばれることはないだろうから、全力で、今回が最後だと思ってやろう』ということでした。そんな明治座さんから今回ご指名を受けた。だから、恩返しというか、僕たちにできることがあるとすれば一生懸命やらせていただきたいと思いました」
純烈公演の第2部(歌謡ショー)では、ブラウン管テレビの画面の中で歌う演出も施され、瀬川瑛子、美川憲一、コロッケ、森口博子、そして前川清がスペシャルゲストとして交代で登場し、自身のヒット曲を披露しつつ、純烈と掛け合う。テレビの黄金時代。純烈はもちろん多くの人にとって、テレビが夢の箱だった時代のスターへの憧れが演出されている。
初日ゲストの瀬川とは、純烈お馴染み(?)の“下ネタ”でも盛り上がっていたが、裏テーマに心打たれながらも、笑って元気になれる初座長公演だった。
曽我廼家がこんな発言をしていた。
「純烈さんとの劇場での共演は2回目ですが、座長公演としての共演は初です。いろんな歌手の方と劇場で共演させていただいていますが、もっとグイグイと我を出される方もいらっしゃいます。座長なので当たり前なのですが。でも、純烈さんはお稽古の時から謙虚で控えめでね。でも、それが新鮮でもありました。回を重ねていく中で、どんなふうに人格がかわるのか楽しみです(笑)」
そんな曽我廼家に、酒井はすかさず「見とけよ(笑)」と応えていた。
7月18日まで続く「明治座7月 純烈公演」。純烈ファンならこの歴史の1ページは、見ておきたい。
明治座7月純烈公演
第1部「ラブレターを取り返せ!」
20世紀初頭、世界中から夢と希望と野心がアメリカに集まった時代のニューヨーク。ジョー(酒井一圭)、デイヴ(後上翔太)、ビリー(小田井涼平)の売れない3人組コーラスグループに思わぬもうけ話が転がり込んだ。それは、この町で成り上がってきた実業家、ミスター・ウエンズデイ(白川裕二郎)の不実な恋の後始末。ウエンズデイはニューヨークいちの名家、マダム・ブラウン(磯野貴理子)のご令嬢との婚約が調ったばかりで、世間では「世紀の婚約」と騒がれているが、彼には別に恋人、ローズ(星野真里)がいたのだ。
ウエンズデイがジョーたち3人に持ちかけた仕事は、裏切りに怒ったローズが婚約をめちゃくちゃにしないよう、かつて送ったラブレターを取り返すこと。ローズの屋敷で仕える執事のジェームズ(曽我廼家寛太郎)に疑われる3人だったが、報酬が破格の1万ドルと聞けば心も動く。
ところが、対面したローズは、ウエンズデイの話とは大違いの“純情で心優しい”女性だった・・・。
第2部 純烈コンサート2021「Love Letter」
「プロポーズ」「純烈のハッピーバースデー」「愛をください~Don’t you cry~」をはじめとしたヒット曲から、歌謡界を代表するゲストを迎え、明治座オリジナル演出で届けられるコンサート。
スペシャルゲスト(※公演日によって出演者が異なる)
瀬川瑛子 (出演日 7/2・5~8)
美川憲一(出演日 7/3・4)
コロッケ(出演日 7/9・10)
森口博子(出演日 7/11~13)
前川 清 (出演日 7/14~18)
公演概要
公演名:明治座7月純烈公演
第1部「ラブレターを取り返せ!」
第2部 純烈コンサート2021「Love Letter」
企画・製作:明治座
出演:純烈(酒井一圭、後上翔太、白川裕二郎、小田井涼平)
星野真里、曽我廼家寛太郎、磯野貴理子、上地春奈、小林けんいち、小久保 隼、かとう 唯
第2部スペシャルゲスト
瀬川瑛子、美川憲一、コロッケ、森口博子、前川清
※ゲストは公演日によって異なる。
公演期間:2021年7月2日(金)~7月18日(日)
開演時間:12:00/17:00
料金(税込):S席 12,000円 A席6,000円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場は不可
チケット:発売中
会場: 明治座(東京都中央区日本橋浜町2-31-1)
チケット問合せ先:明治座チケットセンター
TEL:03-3666-6666(10:00~17:00)
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