「氷川きよし衣裳展」が開催。「衣裳は鎧。背中を押してくれた」と氷川。期間中、こだわりの衣裳65着を展示

2020.12.14

▲「氷川きよし衣裳展」に訪れた氷川きよし。感染防止対策のため消毒液が組み込まれた神龍のパネルで、手指を消毒する。

今年デビュー満20年を迎えた氷川きよしのコンサートやTV番組などで着用した衣裳を集めた「氷川きよし衣裳展」が12月13日より、東京・原宿のWITH HARAJUKU HALL（ウィズ原宿ホール）で始まった。初日から多くのファンが訪れ、こだわりのつまった氷川の衣裳・61着（期間中に65着を展示）を間近で観覧し、氷川きよしワールドを楽しんでいた。

今回の衣裳展は前回行われた2014年のデビュー15周年から20周年を迎えた2019年までの衣裳を中心に展示される。

来場者にはマスク着用を義務づけ、入口で検温・手指消毒をするなど感染症対策が実施されている衣裳展だが、「安全に、かつ楽しく観覧してほしい」と、ひと工夫されている。入場の際にまず現れるのが、2体の龍が描かれたパネルなのだが、このパネルは昨年のNHK白歌合戦で氷川が「限界突破×サバイバー」歌唱の際に乗っていた神龍を模したもの。龍の口に手を入れると自動的に消毒液が噴射され、手指消毒ができる仕掛けだった。

▲衣裳展の開催される前日に会場を訪れた氷川は、入口に直筆サインを入れた。

さて、入場するとまずはディスコグラフィーのコーナーを見学することになる。冒頭には、現在の所属事務所のオーディションを受けた際、故・長良じゅん会長と初めて出会った時に着用していたという青のセーターが展示されている。

氷川いわく「初めて自分でプロデュースした衣裳」という記念すべき一着だ。デビューした2000年から2020年までにリリースされたCDのジャケット写真が展示される合間に、シングル「ときめきのルンバ」や「大丈夫」の水玉模様の着物などCDジャケット写真で着用した衣裳が展示されている。

▲2014年の「氷川きよしデビュー15周年記念コンサート～明日への道～」で使用したペガサスと、その時の衣裳。氷川自身、「一番思い入れのある衣裳」だという。

展示会場に入場すると目に飛び込んでくるのが、2014年の「デビュー15周年記念コンサート in 日本武道館」のオープニングで、日本武道館の天井から舞い降りる演出で観客の度肝を抜いた、ペガサスと当時の着用衣裳だ。真っ白なペガサスはコンサートで実際に使用されたもの。その横を通り過ぎると5年ごとに開催されてきた日本武道館公演のコーナーが続く。2014年のデビュー15周年記念コンサートと、昨年のデビュー20周年記念コンサートの衣裳を中心に展示されているが、なかには5周年コンサートや10周年コンサートの際に着用した貴重な衣装も一部展示されていた。

▲2018年の「氷川きよしスペシャルコンサート2018～きよしこの夜Vol.18～」（東京国際フォーラム）で着用した衣裳。▲こちらは2019年に行われた「氷川きよしスペシャルコンサート2019～きよしこの夜Vol.19～」のオープニングで着用した、蝶（バタフライ）をイメージした衣裳。

▲「氷川きよしスペシャルコンサート2019～きよしこの夜Vol.19～」のステージに立つ氷川。この衣裳で「それぞれの花のように」を歌った。

続いては毎年12月に開催されている「氷川きよしスペシャルコンサート～きよしこの夜～」のコーナーへ。2014年～2019年までの衣裳の数々が展示され、2015年のオープニングで「男花」や「御免」を歌唱した連獅子は当時使用したかつらやお面も一緒に展示されており必見だ。その中には「限界突破×サバイバー」歌唱時の衣裳を集めたコーナーもある。

2017年に初めて出演したアニソンイベント「Animelo Summer Live 2017 –the Card-」で着用した赤レザーの衣裳や、2019年の日本レコード大賞で着用した青の衣裳は、着用回数が少なく近年の衣裳の中では貴重なものとなっている。
▲2018年大みそかの『NHK紅白歌合戦』で氷川が着た衣裳。「勝負の花道〜世界に響く和太鼓SP〜」と題して、和太鼓エンターテイメント集団「DRUM TAO」と共演した。

その後は、『NHK紅白歌合戦』で着用した衣裳のコーナーへ。デビュー年2000年から昨年まで連続20回出場し、今年の紅白にも出場予定の氷川だが、歴代の衣裳の一部が展示されている。

展示会場の最後には、写真撮影OKのコーナーが設けられている。毎日、展示衣裳が変わる「日替わり衣裳コーナー」や、手指消毒の神龍のボードと写真撮影ができるコーナー、インスタグラムならぬ“Kiistagram”風ボードでインスタ映え間違いなしの写真撮影ポイントなど、来場記念となる撮影スポットになっている。

▲“Kiistagram”のパネルで自ら記念撮影を体験する氷川。インスタ映え間違いなし!!

今回の衣裳展を事前に視察した氷川は、一番印象深い衣裳に、2014年の「デビュー15周年記念コンサート in 日本武道館」のペガサス衣裳を挙げた。当時は声が上手く出ず、精神的にも一番つらい時期だったが、この衣裳とペガサスが自分を鼓舞してくれて、頑張ることができたという。

「自分にとって、衣裳は鎧だし歌は武器です。みんなが必死になってベストをつくして製作して、自分もその服を着て（その曲の）主人公になりきってやってきました。本当に汗と涙と努力の結晶です」

氷川が「プライドを持って作ってます！」と力説する衣裳の数々。「服飾関係の学生さんとか、お洋服に関するお仕事を目指す方にも観てほしいです！」とも語った。

「氷川きよし衣裳展」は12月17日まで開催中。日替わり衣裳も含めると、期間中に合計65着の衣裳が展示される。

なお、今回の衣裳展の会場内を氷川きよしが観てまわる様子を撮影した映像が、CNプレイガイドの動画配信サービスにて配信される予定。氷川と一緒に衣裳展を観覧しているような映像が楽しめるという。配信時期などの詳細は、長良グループ公式ホームページなどで、後日発表される。

また氷川は12月15～16日に、東京国際フォーラム・ホールAにて、「氷川きよしスペシャルコンサート2020～きよしこの夜Vol.20～」を開催する。楽曲のイメージに合わせて製作された、こだわりの衣裳の数々が登場することだろう。

▲「氷川きよし衣裳展」のメインビジュアルのポーズを真似る氷川。「プライドを持って衣裳を作ってきた」と言う。

氷川きよしQ&A

「汗と涙と努力の結晶です」

――今回、衣裳展を視察していかがでしたか？

氷川　一口に20年といってもいろんなことを考えながら、いろんな人たちの想いをひとつにして、ひとつの作品になってきたんだなとすごく感じました。それぞれの衣裳に魂が宿っているように思いました。衣装はマネキンに着せているけれど、今にも動きそうな……。たくさんの人の思いがすごくつまってて、自分がいなくても（衣裳だけでも）成立しているというか。みんなが必死になってベストをつくして製作して、自分もその服を着て（その曲の）主人公になりきってやってきました。本当に汗と涙と努力の結晶です。自分ひとりじゃなくて、ファンの皆さんやスタッフなど多くの方々の想いが、ひとつひとつの衣裳に宿っているんだなと思いました。

――氷川さんにとって、衣裳とは？

氷川　自分にとって、衣裳は鎧だし歌は武器だから、衣裳を見たら歌が出てきて、その当時の自分が出てきます。本当に歌にとって衣裳は重要だと思います。衣裳によって、福岡から出てきた普通の若者が、“氷川きよし”になっていく。デビュー当時、故・長良じゅん会長も「お前はスターなんだ」とおっしゃってくれて、スターになりきるために、マリアッチの恰好だったり、普通の人とは違うぶっ飛んだ衣裳を着たり。それを続けることで“氷川きよし”の存在を知っていただいて、“氷川きよしブランド”ができあがっていきました。

衣裳たちが自分の背中を押してくれたんだなと思いました。ですから、今回の衣裳展はぜひ多くの幅広い世代の方にも見ていただきたいですね。服飾関係の学生さんとか、お洋服に関するお仕事を目指す方にも。おこがましいかもしれませんが、それだけのものを、プライドを持って作っていますので、刺激になればいいなと思います。
▲氷川が「ぶっ飛んだ衣裳」だという作品にひとつ、2011年発売シングル「情熱のマリアッチ」のジャケット撮影用に製作された衣裳。